北米

2026.04.17 07:30

米国によるホルムズ海峡封鎖は何年も前から計画されていた

ホルムズ海峡の封鎖で影響を受ける石油タンカー。2026年3月15日撮影(Getty Images)

ホルムズ海峡の封鎖で影響を受ける石油タンカー。2026年3月15日撮影(Getty Images)

11~12日にパキスタンの首都イスラマバードで開かれた米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が決裂したことを受け、両国の対立が再燃している。イランを服従させようとする米国の試みも同様だ。イランがペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡を通る石油輸送を操作しようと執拗(しつよう)に試みていることを受け、米国のドナルド・トランプ大統領は米軍が同海峡を全面的に封鎖すると宣言した。

トランプ政権の批判者は、予想通り、この動きをイランに対する影響力を取り戻そうとする米政府の最後のあがきだと切り捨てた。しかし、実のところ、この戦略は決して突発的なものではない。

筆者は15年ほど前、研究目的で米フロリダ州タンパにある米中央軍を訪問した際、イラン情勢に深く関与していたある軍高官と率直な意見交換を行った。当時から、イラン政権の「エネルギー兵器」であるホルムズ海峡は、米国の戦略思考の中で大きな存在感を放っていた。米軍高官が語ったところによれば、米中央軍にとっての悪夢のようなシナリオは、ホルムズ海峡の完全封鎖ではなく、意図的な「狭窄(きょうさく)」だった。機雷敷設や海軍演習、通過船舶への妨害といった戦術を用いることで、イランは米国に対して明確な開戦の口実を与えることなく、同海峡を通る石油の流れを制限し、世界的な原油価格の高騰を引き起こすことができる。

他方で、計画されていた米国の対抗策も同様に多くのことを物語っていた。軍高官は筆者に、もしイランがホルムズ海峡に実質的に干渉した場合、同海峡は「われわれの手によって封鎖されたままになる」と語った。この対応は、2つの重要な目的を達成することになる。1つは、イラン政権にとって最も重要な外貨獲得源を奪うことであり、もう1つは、ペルシャ湾岸諸国の石油に依存するすべての国を、イラン政権の封じ込めに協力する当事者として巻き込むことだ。

その論理は洗練されていた。米国には、イランが持つ地理的優位性を危険な弱点へと変える力があった。まさにこれが現在起きていることであり、米中央軍が12日に発表した通りだ。

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翻訳・編集=安藤清香

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