北米

2026.04.17 07:30

米国によるホルムズ海峡封鎖は何年も前から計画されていた

ホルムズ海峡の封鎖で影響を受ける石油タンカー。2026年3月15日撮影(Getty Images)

イランは既に崩壊寸前だった経済を抱えたまま、今回の紛争に巻き込まれた。同国のインフレ率は極めて高く、公式推計では70%に迫っており、米国による攻撃直前の時点でもなお加速していた。イランの通貨リアルは歴史的な切り下げを経て、1ドル=150万リアルを超える水準で推移していた。予測では、経済成長が低迷するかマイナスに転じるとされ、物資不足と物価の高騰により、イランの一般市民の購買力は急激に低下していた。

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これらはすべて、米国による攻撃前に起きていたことだ。米イスラエル両軍が2月28日にイランへの合同軍事作戦を開始すると、同国の経済見通しはさらに厳しい状況に追い込まれた。現時点での推計によると、工場や発電所、主要な交通拠点など、同国の重要施設や民間施設の被害額は約1450億ドル(約23兆円)に上るとみられている。こうした軍事的な打撃により、イランは残っていた経済的回復力の多くを失った。米国の攻撃はイランの石油輸出の遮断、特に中国への大規模な石油供給の停止をもたらした。

米国によるホルムズ海峡の封鎖が具体的にどのような形を取るのかは、依然として不明だ。トランプ大統領は、他の国々がイランの孤立化に協力することを期待していると表明した。しかし、これまでのところ、米国の同盟国には協力の動きを見せる気配がほとんどない。とはいえ、仮に他国が協力しなかったとしても、軍事専門家らは、米国には少なくとも当面の間は単独で封鎖を実行するだけの軍事力があると認めている。

ホルムズ海峡を封鎖することで、米国は事実上、イランの戦略を真似た形となり、同国が利用しようとしていたまさにその要衝を、自らの武器として活用したことになる。この状況はイランに残る強権的な支配者に、核開発計画を含む行動について真の譲歩をするか、経済的な締め付けを受けるかという選択を迫っている。同国の支配者がどちらの選択肢を選ぶかは、近いうちに明らかになるだろう。

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forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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