「AIアシュアランス」分野の最新トレンド
吉川:2026年現在、AIアシュアランス分野ではどのようなトレンドが見られますか?
Bohm:AIの導入形式が多様化するにつれて、AIアシュアランスのソリューションも進化しています。例えば、AIが単なるチャットボットを超えて、エージェントとして企業のワークフローに関与するようになると、権限管理や監査、リスク評価といった仕組みが不可欠になります。
Fitz:加えて、金融や医療などの規制産業向けに、業界特化型のアシュアランスソリューションも増えています。さらにAIはチップ、エネルギー、データセンターといった物理インフラ領域にも広がっており、AIサプライチェーン全体に対するアシュアランス需要が高まっています。また、LLM以外の多様なAI形態への対応ニーズも高まってきています。
「AIアシュアランス」への投資に特化する理由
吉川:お二人が共同創業したJuniper Venturesは、AIアシュアランス分野に特化した初のマイクロVCですが、そもそもなぜこの分野に注目されたのでしょうか?
Bohm:Nickと私は2019年に出会い、共同でスタートアップを創業しました。その中で、多くの顧客がAIを導入したいと考えていても、実際には導入に踏み切れないという課題に直面しました。企業の調達プロセスにおいて、AIの信頼性を証明する仕組みが不足していたのです。そこから、AI導入における“調達の問題”を解決するテーマとして、アシュアランス分野に着目しました。
吉川:投資先の発掘はどのように行っていますか?
Bohm:多くのVCと同様、やはり信頼する創業者からの紹介が最も重要です。「AIアシュアランス」レポートの発表以降、この分野の創業者からのインバウンドのアプローチも増えてきました。
AIアシュアランス領域の創業者の多くは、ChatGPT後の直近のAIブーム以前から、この問題に長年取り組んできた専門家です。連続起業家が多く、年齢的には40代前半の人材が多い傾向にあります。MATSなどのAI研究者コミュニティとも連携し、有望な人材が起業する前から、長期に渡って人間関係を構築しています。
吉川:サンフランシスコは押しも押されぬ世界のAIの中心地ですが、AIアシュアランスにおいても有望なスタートアップもやはりサンフランシスコに集中していますか?
Fitz:そうですね。サンフランシスコとシリコンバレーには世界有数のAIラボが拠点を置き、その顧客となるテック企業も集積しています。スタートアップを取り巻く人材と資本のエコシステムの厚みは群を抜いています。他都市に拠点を置くスタートアップも検討はしますが、やはりこの土地にいることは色んな意味で大きなアドバンテージとなります。


