テクノロジー

2026.04.17 14:15

「人生を3倍にする」マルチスレッド・ライフスタイル実現技術で先を行く日本

日本がHCIで先行する理由

ヒューマン・コンピューター・インタラクション(HCI:簡単に言えば、情報を引き渡すのがHCIで情報処理するのがAI)、HCIが研究開発するユーザインタフェースには、ハードウェアとソフトウェアの両方の高度な技術が必要です。

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欧米はソフトウェア、アジアの企業はハードウェアに強い傾向ですが、日本はその両方を兼ね備えており、HCIの研究開発に日本は世界的に有利な位置にあります。

また、正月は神社、大晦日はお寺、クリスマスはキリスト教と、日本人は多様な文化や宗教、価値観を自然に受け入れます。この「ぐちゃぐちゃでも良い」という思想と、多様な体験ができることこそが、奇抜な研究やアイデアも比較的許容されやすく、固定観念に縛られない「0から1」の新しい発想を生む土壌となっています。

こうした技術と文化の基盤が、日本が持つ独自の優位性であり、HCIの研究を後押ししてきました。そして、これから世界がフィジカルAIに移行していく中で、人間の存在価値である、生み出す力がますます大切になります。

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「変な発想を寛容に認めるという意味でヘンテコな研究多いですね、もっと増えるといいと思います」と、玉城氏は言います。

欧米ではテクノロジーについて経済的価値や生産性に重きを置くのに対し、日本的な視点からは「人間の可能性を広げる」「進化を加速させる」という、より長期的な意義を見出すことができます 。

「テクノロジーは人類の進化を加速させるためにあると思います」

火の発見が食料保存や時間の余裕を生み、結果として文字や文化の発展につながったように、テクノロジーは短期的な利益を超えた進化をもたらす。HCIやボディシェアリングも、その延長線上にある。それは単に便利な技術ではなく、人間の可能性そのものを広げるための道具なのです。

玉城氏が描く未来は、単なるテクノロジーの進歩ではなく、人間の遊び方、学び方、働き方、そして生き方が根本から変わるかもしれない、「人生そのものの拡張」という新しいパラダイムと言えましょう。

AI時代にどう生きるか

産業革命の前夜、人々は「機械が仕事を奪う」と恐れました。現在もまた、ホワイトカラーの業務をはじめ、人の仕事がAIに代替される第2の産業革命の渦中にあります 。しかし、玉城氏はこれを人間のアイデンティティを見直す絶好の機会と捉えます 。

あらためて人間の役割とは、文化とは何だろうとか、棚卸しするタイミングです。思想、考え方、そして信念といった、哲学的に生きる意味付けが大切になります。そして、自分の仕事やライフスタイルを掘り下げて、人生の意味付けをしていく段階に入っています。

AIによって浮いた時間で、私たちは何をするのか。より多くの体験を積み、それを他者と分かち合うことで、精神的にも成長し、豊かになっていくことができます。
行き着く先は何なのか。私たちの何世代か先に向けて、かつての産業革命とは違った革命になるように努めたいです。いま文化を作りやすい時期ですから、こんな文化にしようと思って行動したいところです。

「電話するとき『もしもし』と言うみたいな、こうやって使うんだよ、といった変な文化も残してほしいです。読者の皆さんがぜひそういうので遊んでいただければと私は思っております」と、AIと新しい文化を作る遊び心が大切だと玉城氏は語ります。

テクノロジーを単なる効率や経済性を追求する道具に留めず、人類の新たなステージへどう進むのか。真剣かつ楽しみながら、未来をつくっていきたいものです。

文=本荘修二

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