3. 野心と心の平和を併せ持つことで、焦点を絞った業務遂行が可能に
野心を持ちながらも、自分の人となりやベストな働き方を把握し、心の平和を確保しているリーダー。そうした人材は成果を求めて成長し、革新し続けたいという自らの欲求とうまくバランスを取りながら、自身の中核となる価値観や自意識との重要なつながりを維持している。
その結果、ビジネスで追求する戦略やチャンスも、その人が持つビジョンや価値観と一致しやすくなる。これが、長期的により良い成果や先を見据えた戦略につながる。これがあれば、仕事の多さに飲み込まれたり、集中できなくなったりすることを防止できるはずだ。
McKinsey(マッキンゼー)は、2025年7月に発表した調査レポートで、戦略チャンピオン(意味ある成長につながるイニシアティブを実施し、最大級の成功を収めている事業者)の特に優れている点について、以下のように解説している。「大胆な戦略に全力でコミットし、予測不可能な未来に直面するなかでも、明確に戦略的な手を打ち、その際には首尾一貫した選択をする。そのためにはCEOや経営チーム、取締役会には戦略的な勇気が必要だ。(中略)受け身の姿勢で進捗状況をチェックするのではなく、能動的に成果を管理して、計画の実現を阻む障壁を特定し、打ち破る。さらに、戦略の実施に責任を負うチームを継続的に支援する」
加えてこのマッキンゼーの報告書は、事業者や業界、それに関連する不確実性のレベルによって文脈が変化するため、各企業に特有の、異なる強みが必要になる点を指摘している。これは何より重要なポイントだ。
野心と心の平和のあいだでバランスをとれるリーダーは、自らが属する企業特有の強みを活用し、弱みを穴埋めするのにより適したポジションにあると言えるだろう。
仕事への野心と心の平安のあいだでバランスを見いだすには
心の平安を無視した野心的な目標設定は、燃え尽きや不安定な状況、稚拙な判断につながる。一方で、心の平安のみを重視して野心がないと、停滞に陥ってしまう。しかしこの二つが合わされば、はるかに強力な成果が生まれる。それはすなわち、規律があり明晰で、未来を見据えた意思決定だ。
キャリアのなかで野心を活用しながら、心の平和を追求するには、マインドセットのバランスを注意深くとらなければならない。このバランスを確保した起業家は、明確さと集中力という、非常に必要とされる資質を手に入れることができる。それと同時に、自身のキャリアへのアプローチについて、健全な境界線を設けることもできる。
起業家としての活動が、適切な枠組みによってガイドされていれば、事業にとってもその人個人にとっても、より賢明な決断ができるはずだ。


