ルービン天文台の観測データを用いて遠方の太陽系天体を検出するためのアルゴリズムの開発を担当した、米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのリサーチサイエンティストを務めるケビン・ネーピアは「このような天体は、太陽系の最も外側の領域の非常に興味深い調査手段を提供し、太陽系の歴史の初期に惑星がどのように移動したかや、これまで未発見である9番目の大型惑星がやはりどこかに存在する可能性があるのかどうかなどに関する情報を伝えてくれる」と述べている。
発見のペースが加速
今回の成果が特に重要である理由は、発見のペースが速い点にある。小惑星に関してはすべて、ルービン天文台の主要な大規模撮像探査プロジェクトLSST(Legacy Survey of Space and Time)が始まる前に発見されたものだ。
本格運用が開始されれば、新たに検出される小惑星が毎週数千個に上ると予測される。また、地球から700万km以内に接近する可能性がある直径140m以上の潜在的に危険な小惑星の約90%を検出すると期待されている。さらに、50個以上の恒星間天体が見つかるかもしれない。

画期的な技術
ルービン天文台の任務は10年間にわたり、南半球の夜空(南天)全体を3~4夜ごとに撮像することにより、南天の詳細なタイムラプス記録を作成することだ。非常の多くの小惑星を発見する能力は、ハードウェアとソフトウェアの比類のない組み合わせによるものだ。ルービン天文台に設置されているシモニーサーベイ望遠鏡は口径8.4mの主鏡を備え、満月約7個分の広さに相当する視野を持つ。望遠鏡には製作費1億6800万ドル(約267億円)の超高感度32億画素LSSTカメラが搭載されており、空の広い範囲を迅速に繰り返し走査観測することが可能になっている。
同じくらい重要なのは、数十億個の光源の中から動いている天体を特定するために開発された、コンピューターによる高度なデータ処理パイプラインだ。このシステムにより、従来のサーベイ観測では見過ごされるような高速で移動する暗い小惑星を検出できる。


