暗号資産

2026.04.16 17:00

「計4兆円のビットコイン」トランプとマスク、10万ドルへの賭けは実るか

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トランプの約3.9兆円準備金:停滞はしているが頓挫はしていない

一方、トランプの「戦略ビットコイン準備金」が宙に浮いたままである。大統領は2025年3月に大統領令に署名し、没収したビットコインを恒久的な準備資産として財務省に保有させるよう指示した。しかし署名から1年以上が経過した今も、本格的な運用に必要な議会の承認は得られていない。

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スコット・ベセント財務長官は最近、暗号資産分野における米国のリーダーシップと戦略ビットコイン準備金に対する政権のコミットメントを改めて表明した。ビル・キャシディ上院議員とシンシア・ルミス上院議員は、デジタル資産のマイニングを支援し準備金を裏付ける「Mined in America Act(マインド・イン・アメリカ法案)」を提出している。しかし、立法手続きの歩みは遅い。

「関税の一時停止が流動性のストレステストとしてBTCの急騰を引き起こしており、マクロ経済のレジーム(体制)チェンジを示唆している」──暗号資産アナリストの@Beyond_T_CoinはXでこう主張し、トランプの貿易戦争の姿勢が軟化するたびにビットコインが上昇するパターンを指摘した。同アナリストによれば、トランプの関税サイクル──脅しの後に一時停止と安堵による反発が繰り返されるパターン──は、ビットコインをマクロヘッジ(巨視的経済リスクに対する防衛手段)として機能するよう市場を条件付けているという。

強気シナリオ:価格10万ドル、そしてその先へ

いくつかの要因が重なれば、ビットコインは10万ドルの大台を突破する可能性がある。暗号資産ネイティブの予測市場であるPolymarketでは、2026年12月31日までにビットコインが10万ドルを超える確率を37.5%と織り込んでおり、取引高は約126万ドル(約2億円)に達している。

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Strategy(旧MicroStrategy)のエグゼクティブ・チェアマンであり、企業によるビットコイン購入者として史上最大規模を誇るマイケル・セイラーは、3月にXでこう投稿した。「ゼロにならないなら、100万ドル(約1億6000万円)に向かうということです」。セイラーは2025年10月のCNBCのインタビューで、米国の大手銀行がビットコインの購入とカストディに本格参入することで、2026年には14万3000ドルから17万ドルに達し得ると予測している。

ARK InvestのCEOであるキャシー・ウッドは4月1日、CNBCに対してビットコインの壊滅的な暴落の時代は終わったと語った。「非常に新しいテクノロジーに付きものだった85〜95%の暴落は、もう終わりです。これは実証済みのテクノロジーであり、実証済みの金融システムであり、新しい資産クラスなのです」とウッドは述べた。ARK Investは、2030年までのビットコイン強気シナリオにおける目標価格を120万ドル(約1億9000万円)に設定している。

2024年にナッシュビルで開催されたBitcoin 2024カンファレンスで、トランプは米国を「世界のビットコイン超大国」にする意向を表明した。5000万人の米国暗号資産保有者のセルフカストディ(自己管理による資産保有)の権利を守り、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の創設をいかなる形でも阻止すると公約している。この公約は、2026年の中間選挙が近づくにつれ、ますます切迫感を増している。

議会が戦略準備金に関する法案を可決し、財務省がビットコインの積極的な購入を開始すれば、供給面でのショック(急激な供給不足)は相当なものとなりうる。米国はすでに、既知の政府としては最大のビットコイン保有者である。積極的な買い付けが始まれば、すでに逼迫した供給からさらにコインが吸い上げられることになる。

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翻訳=酒匂寛

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