欧州

2026.04.16 07:00

ロシア最新鋭の滑空爆弾、ウクライナが新型ジャマーで無効化か

ウクライナ北東部ハルキウ市にある市立病院の敷地内で2025年10月13日、ロシア軍の滑空爆弾による攻撃で発生した火災の消火活動にあたる救助隊員(Ukrinform/NurPhoto via Getty Images)

「Limaの配備が急ピッチで進むのを快く思わない競合他社が、いわれのない苦情を法執行機関に申し立てるようになりました」と広報担当者は言う。その結果、Lima-Quantの開発元は汚職捜査に巻き込まれ、「チームとメーカーの活動は半年以上にわたり停止され、大きな損失につながった」という。

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残念ながら、ウクライナの防衛部門で汚職疑惑は(実際の汚職も)珍しくない。

こうしたさまざまな障害や妨害にもかかわらず、Lima-Quantの配備は続いている。開発元は、Lima-Quantは唯一無二の有効性を示しており、ロシアの新しいKometaに対抗できるEWシステムはほかに存在しないと主張している。

「現状、Lima Quantは、これらのCRPAを50kmの距離で、KABを100km超の距離で、巡航ミサイルや弾道ミサイルをそれ以上の距離で抑え込むことのできる、世界で唯一のシステムです」(広報担当者)

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広報担当者によると、Lima Quantは滑空爆弾だけでなくキンジャールの阻止にも貢献しているという。「発射されたミサイル42発うち41発を無力化することに成功しました。大半は爆発を起こさずに空中で分解させました」

技術の「いたちごっこ」は続く

「超兵器」や「特効薬」といった主張はつねに慎重に受け止めるべきだし、とくに技術的な詳細が明らかでない場合は気をつける必要がある。しかし、ナイト・ウォッチの将校はLima-Quantの基本的な内容について確認しており、こうも言っている。

「十分に大規模に導入され、作戦区域全体で調整して運用されれば、これらのシステムは誘導爆弾や無人機が狙った目標を攻撃する能力を大幅に制限できます」

ウクライナ当局は2025年、ロシア軍の滑空爆弾に電子戦システムで対抗し始めたことを認め、この能力を拡大していると説明したが、詳細は明らかにしなかった。

一方、ロシア側の情報源も一部の兵器の命中精度が低下していることを報告しており、イスカンデル弾道ミサイルが目標から1kmも外れているなどと不満を漏らしている

電子戦は終わりのない兵器開発競争である。どちらかがより優れたジャマーを開発すれば、相手側はそれに対抗する耐妨害受信機を開発する。優位性が確保されても、それはどんな場合も一時的なものでしかない。それでも、開発元が主張しているとおりであれば、Lima-Quantは現時点で、ロシアの最も危険な部類に入る兵器の脅威をしばし緩和するものになっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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