Susan Asiyanbi(The Olori Network創業者)は、CEOが経営幹部チームの関係構築力を強化し、パフォーマンスを高める支援をしている。
多くのCEOは、ミスに対処しさえすれば問題は解決すると考えている。だが、見落としの中には個々のリーダーのスキルや判断に起因するものもある一方で、より大きなものを示しているケースのほうが多い。すなわち、意思決定権限が不明確であること、基準が一貫していないこと、あるいはプレッシャー下でチームが連携する方法にギャップがあることだ。
こうした構造的な課題が非公開で処理されると、仕組みは適応できない。学びは当事者間に閉じ込められ、同じ条件が静かに同じ問題を時間をかけて再生産してしまう。
よくあるパターン
次のような場面を考えてみよう。ある日の午後遅く、即時対応を要するプロダクトの問題が表面化する。エンジニアリングは迅速に動き、原因の切り分けと修正のテストを進める。進捗はプロダクトチームとの緊密な連携に左右される。プロダクト責任者は短時間だけ関与したのち、マネジャーに委任して引いてしまう。だが、そのマネジャーたちにはリアルタイムの意思決定に必要な権限と文脈がない。エンジニアリングはそれでも押し切り、使えるものの最適とは言えない解決策を出す。
その後、エンジニアリング責任者がCEOに懸念を伝える。CEOは感謝を示し、別の1対1のミーティングでプロダクト責任者に「もっと関与すべきだった」と伝える。
CEOの視点では、問題は処理されたことになる。だが、このシナリオで起きていないのは、その状況がシニアリーダーに何を求めていたのかについての共通の対話である。例えば、機能別責任者がいつ個人として関与し続けなければならないのか、部門横断のエスカレーションと連携はさまざまな状況でどう機能すべきか、といった点だ。非公開で解決したように見えても、仕組みは変わらないままであり、同じ破綻が繰り返される可能性が高い。
「オフラインで処理する」ことの隠れたコスト
非公開での説明責任の追及は、思慮深いリーダーシップに見えがちだ。しかし創業者でありCEOとしての経験から、説明責任が一貫して密室にとどまると、解釈の余地が大きく残りすぎることを学んだ。この例では、連携が崩れたときのコストは自分たちが吸収するのだとエンジニアリングは学ぶ。そのため懸念を率直に共有するのではなく、難題をCEOに回すようになる。プロダクトは、自分たちの行動が下流に及ぼす影響を十分に理解しないまま是正だけを受ける。CEOは、自分が既定の「統合役」だと思い込んだままその場を離れる。
時間がたつにつれ、仕組みに「破綻を相互の学びへと変える共有のメカニズム」が欠けているため、説明責任の経路は上方へと向かっていく。
説明責任は「是正」であると同時に「学び」でもある
経営幹部レベルでは、説明責任は2つの異なる目的に資するべきだ。パフォーマンスを是正すること、そして企業がどのように機能するべきかを明確にすることである。
非公開の会話は責任と能力の問題に対処できるが、共有の振り返りはリーダー同士がどう協働するかの基準を打ち立てる。是正が共有学習を伴わない場合、個人は調整できても、仕組みはほとんど変わらない。繰り返し話し合っているのに、見慣れた問題が再浮上する一般的な理由の1つがこれである。
すべての問題が公開レビューを必要とするわけではない。しかし、仕事が部門をまたぎ、全社の優先事項に影響し、期待値が曖昧なままになる場合、学びを非公開にとどめることは組織の改善力を制限しうる。
実務における「共有学習」とは
学びを可視化しても、非公開の会話が不要になるわけではない。多くの場合、関係するリーダーとは個別に話すべきである。違いは、その次に何が起きるかにある。
洞察を孤立させたままにするのではなく、関与したリーダーが集まり、その状況が期待値、意思決定権限、連携について何を明らかにしたのかを共同で明確化する。次に、その学びをより広いチームに可視化する。例えば次のようにだ。
「先週のエスカレーションを振り返ったところ、迅速な部門横断の意思決定に誰が関与する必要があるのか、私たちは足並みがそろっていないと気づいた。ここに学びと、次回からどう変えるかを示す」
この例の焦点は、誰が失敗したかではない。仕組みが何を必要としていたのか、何を学び、今後何が変わるのかである。ミスが「公の辱め」ではなく「共有の意味づけ」につながるとリーダーが理解していれば、同僚間の説明責任はより日常的になり、緊張を帯びにくくなると私は感じている。
本当の問い:学びはどこに宿るのか
問題を非公開で処理する前に、自分自身とシニアリーダーにこう問いかけたい。「これを内々にとどめるなら、どんな基準を強化することになり、組織はどんな学びを逃すのか」。経営幹部レベルにおいて説明責任は、是正だけであってはならない。チーム全体の学びと成長を促すものであるべきだ。



