人は適正な給与を必要としている一方で、職場で帰属意識や意味、思いやり、ウェルビーイングが得られるのなら、給与が1割少なくても構わないと考えていることが新たなデータで示されている。実際、これらはモチベーションやパフォーマンス、さらにはエンゲージメントや定着率を高めるうえで大きな違いを生む。
そして現在の職場の状況を考えることは極めて重要だ。なぜなら、かなりの人が自分の進むべき方向を見失っているだけでなく、キャリアに満足していない、あるいは充実感が得られていないと報告しているからだ。多くの人は何とかやり過ごしているだけだと語っている。
人々が求めているもの
従業員のエンゲージメントを高めるためのプラットフォームReward Gateway(リワード・ゲートウェイ)が3200人を対象と行った新たな調査では、実に半数が職場での帰属意識のために給与の10%アップを諦めてもよいと答えた。世代別では、ミレニアル世代の57%、Z世代の52%、X世代の50%、ベビーブーマー世代の42%が帰属意識が重要だと答えている。
人々はつながりを強く求めているが、バーチャルコーチングのBetterUp(ベターアップ)のデータによると、43%の人が同僚とのつながりを感じておらず、69%が職場での人とのつながりに不満を感じている。また、Gallup(ギャラップ)の調査によると、職場で誰かが自分を気にかけてくれていると感じている人の割合は、2020年に47%だったのが現在では39%に減少している。
Eptura(エプチュラ)のポッドキャストディレクターであり、10年間にわたって『Workplace Innovator Podcast』で600回のエピソードを配信してきたマイク・ペトルスキーも「私たちは孤立と孤独、そしてメンタルヘルスの危機に直面している。現実世界で人と親睦を深めることを望んでいる」と話す。
帰属意識が重要な理由
では、なぜ帰属意識を持つことが優れた職場体験にとってこれほど重要なのだろうか。
帰属意識は活力をもたらす
他の人と一緒にいると、私たちは活力を得る傾向がある。他の人といることでやる気や活力が高まる感情の伝染のことを指す言葉として、集合的高揚感というものがある。
Work Design(ワークデザイン)の創業者兼エグゼクティブプロデューサーで、設計・建築分野で40年以上の経験を持つボブ・フォックスは、職場の現状についての2026年版レポートの中で、人がいかに体験を求めているかを指摘している。フォックスは、人が仕事に求めるものを「コンサート基準」と比較している。「パンデミックの時でさえ、人は渋滞や混雑、費用、マスクといった不便に耐えた。それは体験を心から欲していたからだ。エネルギーやつながり、『そこにいること』を求めていた」とフォックスは話す。
つながりは重要だ。「人は現実世界で一緒に過ごしたいと望んでいる。他の人と肩を並べ、共有し、表情やボディランゲージを目にし、本当に結びつく機会を求めている」とペトルスキーは言う。



