春になると、イースター(復活祭)というよりハロウィーンのような気分になることがある。
2026年の春は、猛々しく幕を開けた。しかし、穏やかに去っていくのだろうか。AIの世界では多くの出来事が起きており、私たちはかなり波乱含みの季節を迎えるのではないかと思わされる。その一端は、私も関わっているリンク・ベンチャーズ(Link Ventures、デジタル領域全般を注視している組織)への投稿で、同僚のアレックス・ウィスナー=グロスが的確に記録している。
ここでは、ウィスナー=グロスが挙げている事柄のうち、現代が多くの人にとって不気味で、異様で、あるいはどこか落ち着かないと感じられる時代であることを示すものをいくつか取り上げたい。それは、Claude Mythos(Anthropicの最上位AI、「神話」という意味。危険すぎるということで公開が見合わされている)の途方もない力や、新型GPUのBlackwell(エヌビディアの新しいデバイス)をめぐる争奪戦など、私たちが目にしている他のすべての状況を踏まえたうえでの話である。
ともあれ、新たな成長の季節に間に合う形で厳選した、私のリストをお届けする。
(1)電話で話し、助言を受けられるイエス・キリストAI
宗教の世界で大きな変化が起きている。
暴走するAIがもたらす結果にどう取り組むかを議論する宗教指導者の会議とは別に、最近の動きとして「ジーザスAIホットライン(Jesus AI hotline)」がある。利用者は1分あたり1.99ドル(約316円)を支払うことで、キリストのアバターと電話で話し、あらゆる事柄について助言を受けることができる。
キリスト教徒のソフトウェアエンジニア、キャメロン・パクが手がけたこのホットラインは、大きな注目を集めている。
AP通信の報道は、これを次のように描写している。
「肩まで届く髪を暖かな金色の光が縁取る中、アバターは縦長の画面の中でゆっくりとまばたきをし、AIと宗教の関係についての質問に答える前に一呼吸置きます」。
この記事は、このデジタル版キリストの次の発言も伝えている。
「私はAIを、人々が聖書を探求する助けとなる道具だと考えています。神とともに歩む私たちの道を照らすランプのようなものです」。
これに対するウィスナー=グロスのコメントは、実に含蓄があると感じた。
「シンギュラリティ(技術的特異点)は今や、牧師の悩みごととなった」と、彼は4月13日のXへの投稿で書いている。
次の話題に移ろう。
(2)超リアルなマーク・ザッカーバーグAI
メタは、1兆6000億ドル(約254兆3800億円)規模のAI投資で何をしているのか。
手始めに、同社は従業員が話しかけられる、ザッカーバーグ(通称「ザック」)の超リアルなAIアバターを作成していると報じられている。
「このプロジェクトは、AI覇権をめぐるメタの新たな10億ドル(約1590億円)規模の賭けであり、ザッカーバーグ自身が直接主導している」と、ガジェット・レビュー(Gadget Review)のアレックス・バリエントスは書いている。「この従業員向けクローンは、情報検索などの個人的な作業を想定した別の『CEOエージェント』プロジェクトとは異なる。こちらのバージョンは、ザッカーバーグの話し方や経営戦略に関する洞察を再現する会話を通じて、従業員とのつながりを育むことを狙いとしている」。
つまり、これはザッカーバーグ自身のアイデアだったわけだ……。



