ウォーシュは2006年、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領によってFRB理事に指名された。35歳での就任はFRBの歴史において最年少の記録だ。それ以前にはモルガン・スタンレーに勤務し、2002年に国家経済会議の事務局長としてブッシュ政権に加わった。2008年の金融危機時には、オバマ政権による保険大手AIGの救済を支援したほか、金融危機の中で破綻した創業85年の証券会社、ベアー・スターンズをJPモルガンが買収する際にも尽力した。
2011年にFRBを退職したウォーシュは、デュケイン・ファミリー・オフィスとフーヴァー研究所での活動を開始した。彼は2017年にドナルド・トランプ大統領がパウエルを議長に指名した際の最終候補の1人でもあった。2025年にはパウエルとFRBの政策を厳しく批判し、中央銀行の政策は「極めて長い間、機能不全に陥っている」と主張した。利下げに消極的なパウエルに対して、トランプが「不満を抱くのは当然だ」と擁護する姿勢も見せていた。
ウォーシュの次期議長への指名は、5月に任期満了を迎えるパウエルに対するトランプの批判を受けたものだ。トランプは、利下げに対するFRBの慎重な姿勢など、パウエルが議長として下した多くの決断に異を唱えてきた。トランプ政権下の司法省は今年初め、25億ドル(約4000億円)におよぶFRB本部の改修工事に関して虚偽の陳述を行ったとしてパウエルへの捜査を開始した。パウエル自身はこの容疑を否定している。3月、連邦裁判所はこの捜査を差し止める判決を下し、この捜査がパウエルを辞任に追い込むための「嫌がらせと圧力」であることを示す「十分な」証拠があるとの判断を示した。


