グローバルスターにはスペースXも関心を寄せていた
宇宙アナリストのクリス・クイルティはフォーブスに対し、「私たちが目にしているのは、スペースXとアマゾンによる巨頭同士の戦いの構図だ」と語った。「スペースXも同じ周波数帯の取得に関心を持っていた。今回の買収額にプレミアムがついているのは、おそらくそれが理由だろう」。
現在、グローバルスターの時価総額は約100億ドル(約1.6兆円)だ。同社をめぐってはスペースXも以前買収の打診を行ったと報じられている。スペースXは、基地局やアンテナを介さずにデバイスへ直接通信サービスを提供できる周波数帯の買収に関心を示していた。
アマゾン・レオは、2019年にプロジェクト・カイパーという名称で始動した。ジェフ・ベゾスは、2018年にイーロン・マスクによって解雇されたスペースXの元幹部、ラジーブ・バディヤルを引き抜き、同事業の責任者に据えた。アマゾンは衛星の製造施設や打ち上げ契約に数十億ドル(数千億円)を投じたものの、ロケット不足や製造の混乱、打ち上げの失敗などが重なり、開発は数年にわたり停滞した。
同プログラムは2020年7月に連邦通信委員会から運用免許を取得した後、2023年10月に2基のプロトタイプ衛星を軌道上に配備することに成功した。2025年4月には大規模な打ち上げが始まり、同年11月にはプロジェクト・カイパー(Project Kuiper)というコードネームを廃止してアマゾン・レオへと改称した。これは、同プログラムが研究開発段階から商業事業へと正式に移行したことを示している。
アマゾンは2020年、アマゾン・レオに100億ドル(約1.6兆円)を投じると述べていた。グローバルスターの買収は衛星ビジネスの拡大を目指すアマゾンにとって大きな賭けであり、2017年のホールフーズ買収(約2兆1700億円)に次ぐ、同社史上2番目の規模となる。


