リーダーシップ

2026.05.01 10:15

「自分は他人よりも優れている」と考える人ほどイヤなヤツになる必然

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「成功は、その人の本当の姿を暴くものである」——スイスの作家マックス・フリッシュの言葉だ。出世するほど思いやりを失い、自分を過大評価していく。その傾向に抗う術として、信頼・交渉・パワーゲームを専門とするマティアス・ネルケ氏が説くのが「アンダーステイトメント」、すなわち自分をあえて小さく見せ、地に足をつけ続ける態度だ。『私を消耗しない賢明な態度』(サンマーク出版)から、一部抜粋・再構成してお届けする。

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「自分のほうが上」と思うとマインドが乗っ取られる

成功は、考えているほど素晴らしいものではない。

成功しないよりは成功するほうがいい。しかし、そこにはあまり語られることのない重大な落とし穴がある。

そして、その穴を埋めるにはアンダーステイトメントしかない。

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これが意味するのは、成功を収めることや成功に向かって努力することが必ずしも人格にポジティブな影響を与えるわけではない、ということだ。

逆の主張がたびたびなされているが信憑性はない。

例えば、出世を意識している人が自分の上司を持ち上げるようなとき。

その裏には別の動機が隠れていることがよくあるだろう。自分の利益になる人の意見や行動を支持する。

だれかの「ファン」になり、その人にいくらか不愉快な面があったとしても、「悪い面はだれにでもある」と目をつぶる。

このようなことはだれにでもあるだろうが、特に成功を重要視する人たちにこの傾向が見られる。

「成功が人を変えるのではない。成功はその人の本当の姿を暴くものである」
──マックス・フリッシュ【訳注:スイスの小説家】

その理由の1つは、トップに上りつめるにはある種の資質が必要だからである。とりわけ、大金がかかっていると、かなり強引なやり方でなければ成功しない。

出世するには困難を乗り越えて進まねばならず、人との接し方が上手だからボスの座についてほしいと好意的に頼まれることはない。

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文=マティアス・ネルケ/講演者、作家

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