社会学者のハルトムート・ローザは、人や社会と結びつくチャンスを逃さないために私たちが訓練された心的傾向「アップデート・メンタリティー」について語っている。
詩人のペーター・リュームコルフは次のように書いている。
「アイデアがわさわさと押しよせ、飛びかってくる。だが背後にいるのはもはや本物の人間ではない」
速い人は遅い人をのみこむ。駆け足を続けている人だけが転落しないのだ。
加速はいたるところで起きている。
あらゆるものを、さらに加速しなければならない。
短縮、削減、コンパクト。利益を見極めよ。
それも、今すぐに。
明日になればゲームのルールは変わっているかもしれない。
それに反して、「ジェントルマンは歩くことはあっても決して走らない」。
だれの前でも変わらない態度が「信頼」になる
ジェントルマンは幸せだ。
落ち着きがあり、気負いがない。
周囲から羨望の眼差しを向けられているので注意を集める必要もない。自分の内面的な価値も自覚している。
困難を乗り越えるのに、だれかを説得する必要もなければ、尊敬されるために他人より優れている必要もない。
自分のことより、仲間に好奇心を示し、敬意を込めて接する贅沢が許される。
たとえ相手がどんな階層の出身であったとしても。
ジェントルマンは、自分の社会的な地位にも自分自身にも満足している。
だから自分のキャリアを築くのに、戦略的である必要がない。
成功を狙って上昇したい人は、それなりの地位にある人と食事に行ってはつながりを作ろうとするが、能力がない人に対しては、自分には役立たない人物として軽視する。
だが、ジェントルマンはそういった社会的な出世を狙っていない。
まさにそれが信頼となり、快い交友関係を作りだす。
ジェントルマンは人を利用しない。
彼らがだれかを支援しようとするのはその人を評価しているからで、利益を得たいからではない。
騎士がそうであったように、ジェントルマンの態度も模範であり、貴族社会の理想である。
そして、このお手本は私たちの人生をよりよい方向に導く手助けをしてくれる。
たとえ私たちがどんな階層にいようとも。
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