暗号資産

2026.04.25 10:15

ビットコインが金融機関の存在を揺るがす「本質的な理由」

Getty Images

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「残高が1円でも合わないと大騒ぎになる」。銀行が舞台となるドラマでこのようなシーンを見たことはないだろうか。なぜ、そこまで神経を使うのか。電子マネーの一種でありながら、ノーベル賞級の発明とも称されるビットコインは、その構造にどう切り込むのか。楽天ウォレットのシニアアナリスト・松田康生さんが、その核心を語る。

投資の素人サラリーマン・アワタニさんとの対話形式でビットコインの本質をひもとく『お金の世界を可視化する 教養としてのビットコイン』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けする。


お金で何よりも大事なのは、やはり信用

アワタニ:「ビットコインが金融革命を起こす」って聞いたんですが、これってずいぶんと大袈裟な言い回しじゃないですか?

松田さん:従来の金融における常識を変える可能性は十分あると思います。たとえば銀行の預金通帳にある残高が、勝手に変えられたら大問題ですよね。

アワタニ:えっ、そんなの銀行としてありえないです。

松田さん:利用者にそう思わせるほど強固なセキュリティーをつくるために、銀行は莫大なコストをかけているんです。なぜなら銀行にある帳簿の残高を1円でも改ざんされたら、もう「おしまい」だから。原価20円程度の1万円札が1万円の価値で流通できるのは「信用」されているからで、銀行にお金を預けられるのは間違えたり誤魔化したりされないと「信用」されているからです。その最も大事な「信用」を失った銀行に、お金なんて預けられませんよね。

アワタニ:よくドラマとかで、銀行が1日の終わりに残高が1円でも合わないと大騒ぎになるシーンが出てくるのは、そういうことだったのか。

松田さん:あれは入金伝票と出金伝票を全部突き合わせて、間違いがないか調べているんです。1円がもったいないというより、お客さまの取引に間違いがあると銀行の存在意義である「信用」を失うから。信用金庫とか信用取引とか金融で信用という単語がよく使われるのは、お金が信用で成り立っているからです。

アワタニ:うっかりミスが多い僕にとってはシビアな世界ですが、預けたお金が勝手に減っているような銀行なんかに、大事なお金を預けられないからなぁ。

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文=松田康生/楽天ウォレット シニアアナリスト

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