欧州

2026.04.15 07:00

ウクライナの動員体制はいまどうなっているのか? 5年目に入った消耗戦を左右するマンパワー問題

訓練初日に整列するウクライナ軍第118独立機械化旅団の新隊員たち。2026年4月5日撮影(Dmytro Smolienko/Ukrinform/NurPhoto via Getty Images)

書類上のマンパワーも問題の一部にすぎない。ウクライナのアナリスト、オレスト・ゾフが2月にウクライナメディアに寄稿した記事で論じているように、ある軍隊が消耗戦に持ちこたえられるかどうかを最終的に決めるのは、たんなる動員ではなく、人員の損耗ペース以上の速さで訓練済みの補充人員を生み出す能力である。

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ウクライナの軍事メディア、ミリタルニーは3月20日、ウクライナ軍は外国でのウクライナ軍人の訓練を取りやめる方針だと報じた。ウクライナ軍参謀本部ドクトリン・訓練総局のイェウヘン・メジェビキン副総局長は、多くの外国人教官は現在の戦闘の実情から乖離しすぎているので、ウクライナは国内での訓練を重視したいと説明している。

米シンクタンク、外交政策研究所(FPRI)のシニアフェロー、ロブ・リーは3月22日にX(旧ツイッター)で、ウクライナ軍の前線旅団は新たな兵士を受け入れる際、環境に慣れさせるための訓練に2週間もかけられないことが多いと指摘した。ウクライナ当局が訓練の量だけでなく、その内容や実施時期にも一段と注意を払うようになっているのも、そうした事情と関係している。

クザンは、ウクライナの前線に関して根本的な問題のひとつは、たんに新たな人員が足りていないことだけでなく、すでに何年も戦い続けている人員に回復のための時間を十分与えられていないことだと述べている。これはたんに徴兵の実施を厳格にするよりも解決の難しい問題だ。部隊を補充できても持続できない動員体制は、戦闘力を回復させるよりも速く士気を低下させていくおそれがある。

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ウクライナの対応

ウクライナはさまざまな手段をより幅広く組み合わせることで、この問題に対処しようとしている。クザンによると、兵員の採用は現在、3つのルートで行われている。(1)従来型の動員(2)各旅団による独自の募集(3)部隊間の転属──である。クザンは、とりわけ志願に基づく採用の重要性が高まっていると話す。志願応募であれば、人々は自分の職業や関心に比較的近い部隊や職務を選ぶことができ、意欲や成果の向上につながる可能性があるからだ。

これは、旅団間で採用の成果に差が生じている理由でもある。クザンは、採用実績の優れた部隊には、入隊候補者側に明確なメリットを提示しているという共通点があると解説する。具体的に言えば、部下から信頼される指揮官、より充実したサポート体制、自分が最も効果的に貢献できる職務で勤務できるという確かな機会などだ。彼によると、採用面の競争にさらされることで、内部の慣行や対外的な広報の改善を促されている部隊も出ているという。

ウクライナは兵役をより持続可能なものにするために、新たな契約形態も導入している。クザンは、志願兵役を拡大し、専門分野に人員を誘致することを目的としたプログラムのほか、契約満了後に動員猶予や交替の期間を与える契約を挙げている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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