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2026.05.16 14:00

ジャック・ドーシー提唱のAI組織論、実践してわかった成功と失敗の記録

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ジャック・ドーシーが組織図をAIに置き換えるという趣旨で書いたエッセイは、48時間で500万回閲覧された。一読して感銘を受けたものの、具体的な行動には至らなかった読者が大半ではないだろうか。多くの人の「現実の1日」と、あのエッセイが予見する未来の間には、巨大な隔たりがある。その隔たりを、すでに埋めた人がいる。

エリック・スイは、マーケティングエージェンシーSingle Grainの創業者であり、企業向けにレベニューエージェントを構築するSingle Brainの創業者でもある。また、投資家であり、YPO(若手経営者ネットワーク組織)のメンバーでもある。2025年12月下旬以降、スイは会社全体をAIエージェントを軸に作り替えてきた。そして、うまくいくこと、破綻すること、そしてエッセイが書き落としていることを記録している。スイの言葉に耳を傾けるべきだ。

コンサルティングファームやエージェンシーを運営していて、AIに関する議論が加速するのを横目に、どこから着手すべきか苦慮しているのではないだろうか。見出しは目にしている。何かが変わりつつあることもわかっている。AIに最も近い人々は、同じことを繰り返し言っている。それでも、あなたは2年前と同じやり方でビジネスを動かしている。

私は2021年にSNS運用代行のエージェンシーを売却し、2023年にCoachvoxを立ち上げ、コーチやコンサルタントのAI版を構築してきた。それ以降の変化のスピードは、目を見張るものがある。本稿では、ドーシーが提案したこと、スイが実際に構築したもの、そして両者から何を学べるかを解きほぐす。

自社ビジネスに「ワールドインテリジェンス」を展開する

創業者が理解すべき4つのレイヤー

BlockおよびSquareの共同創業者ジャック・ドーシーは2026年3月31日、Sequoiaのロエロフ・ボサとともに「From Hierarchy to Intelligence」を公開した。同エッセイは、過去2000年にわたり、組織は人間のマネジメント層を「情報をルーティングする仕組み」として使ってきたと論じる。いまやAIが、その調整機能を担うことができる。ドーシーは、AIネイティブ企業のための4層を次のように描く。

・capabilities(生のAIツール)
・a world model(企業の「生きた記憶」)
・an intelligence layer(意思決定を行うもの)
・surfaces(人間がシステムと相互作用する場)

スイはエッセイを読み、自分がすでにそのバージョンを4カ月にわたり構築していたことに気づいた。「朝6時にスマホで読んだ」とスイは言う。「それからもう一度読んだ。それで、私たちのAIチーフ・オブ・スタッフを動かしているMac Studioのところまで歩いていって、思ったんだ。待てよ、もう私たちはこれのバージョンを持っているじゃないか、と」。違いは、スイの会社は規模が小さく、その分、学びを展開しやすい。あなたもオペレーションについてより大きく考え、今四半期からこれらのアイデアを適用し始めることができる。

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