AI

2026.05.16 14:00

ジャック・ドーシー提唱のAI組織論、実践してわかった成功と失敗の記録

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最初の1カ月は悲惨になると覚悟せよ

スイは初期を美化しない。「このシステムの1カ月目は最悪だった。エージェントは幻覚を見た。データは間違っていた。自動化は午前3時に壊れた。システムが節約してくれる時間より、修復に費やす時間のほうが長かった」

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2カ月目は少し改善した。ブレインに十分なデータが蓄積され、つながりを作り始めた。3カ月目には、フライホイールが回り出した。AutoResearchが、誰も気づかなかった営業電話のパターンを浮かび上がらせた。「通話の最初の5分で見込み客が使う特定のキーワードが、成約率が3倍高いことと相関していた」とスイは言う。「営業エージェントは、それらのリードを自動的に優先するようになった」

この複利の曲線は、あらゆる規模で当てはまる。変数は、システムにどれだけデータを与えるか、そしてどれだけ一貫して与えるかだ。活発な顧客コミュニケーションと活用されたCRMを持つ企業は、データが乏しい企業より速く複利が効く。

「システムが自分自身のアウトプットから学べるなら複利で伸びる。そうでなければ、6カ月目も1カ月目と同じに見える」とスイはアドバイスする。混乱を押し切れ。いま蓄積されているデータこそ、競合他社が容易には追随できない「モート(参入障壁)」になる。

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理論と実装のギャップにあるビジネス機会

ドーシーがマニフェストを書けるのは、Blockのリソースがあるからだ。スイはこれを別の角度から見る。理論と実装の間のギャップこそが、金になる場所だ。

「私がいま説明したすべて、Single Brain、エージェントのアーキテクチャ、DRIシステム、セキュリティレイヤーは、顧客に販売できるプロダクトになる」とスイは言う。「まず社内で回す。動くことを証明する。それから、同じオペレーティングシステムを望む企業に展開する」

bother.now創業者のカル・ターンブルも、必要となるインフラが実在することに同意する。「運用の文脈が、構造化されていないSlackスレッド、サイロ化したGoogleドキュメント、そして人の頭の中に閉じ込められている限り、AIは会社の知性として振る舞えない」とターンブルは言う。彼のプラットフォームは、チームの中核概念、目標、タスク、意思決定、そしてそれらのつながりをモデル化する。

レベッカ・ネルソンは、同様の問題を解決するためにLumeLabsOSを構築している。「あなたが眠っている間にオペレーションを回すAIシステム」だ。コーチやコンサルタントなど、他のニッチ向けにも専門特化のアプローチが存在する。参加するか、自分で作るか。しかし、この瞬間を逃してはならない。数カ月にわたるデータと失敗の蓄積が、まだエッセイを読んで何もしない人たちとあなたを分ける優位性になるのだ。

今日からAIネイティブ企業をつくる方法

次の10年を席巻する創業者たちは、いまこの瞬間にもワールドモデルを構築し、データを流し込み、エージェントに実際のビジネス情報で失敗させ、あらゆる失敗から学んでいる。

4カ月が経ち、スイは複利が疑いようもなく効いていると言う。初期の数カ月の痛みも、現実だった。最重要のデータソースを選び、それらをつなぎ、最大のボトルネックに最初のエージェントを割り当て、動き出せ。行動あるのみだ。

forbes.com 原文

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