ホルムズ海峡を哨戒していた米海軍のMQ-4Cトライトン無人偵察機が4月9日、イラン方向に針路を変更し、「7700」信号(航空機が緊急事態に陥った際に使用される一般的な信号)を自動で発したあと、高度約1万6000mから急降下した。高度約3000mを下回ったところでトランスポンダーからの信号が途絶えた。
この事象は、公開データを基に航路を追跡しているサイト「フライトレーダー」で記録されていた。この無人機(ドローン)が墜落したのか、イランのミサイルに撃墜されたのか、あるいはどうにか回復して基地に帰還できたのか現時点で公式の確認はない。
On its way back to base, the US Navy MQ-4C Triton reconnaissance drone that had been patrolling the Strait of Hormuz took a turn towards Iran, squawked code 7700 (general emergency), and started descending, falling off ADS-B as it dropped under 10k feet. pic.twitter.com/1Ki8OsEk9k
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) April 9, 2026
トライトンは大型の無人機であり、翼幅はボーイング737小型旅客機よりも広い。また、非常に高価な装備でもある。損失したとすれば、この無人機はなぜこれほど高価なのか、また今回のような任務にこれほど高価な無人機が必要なのかどうか、疑問が投げかけられそうだ。
補助相手の有人機よりも高額に
ノースロップ・グラマンMQ-4Cトライトンは「広域洋上監視(BAMS)」機とも呼ばれ、元来は有人機を補完するより低コストの「相棒」として構想されていた。より少ないリソースで、広い海域をカバーする手段という位置づけだ。
米海軍は対水上戦・対潜戦の主力アセットとしてP-8ポセイドン哨戒機を配備している。ボーイングが手がけるこの有人機は737と同じサイズ(編集注:737-800をベースに開発された)で、操縦士2人に加え、センサーなど各種任務装備を担当する7人のチームが搭乗し、10時間程度の飛行を行う。P-8は広大な海域をカバーし、水上・潜水艦艇を追跡する。ハープーン対艦ミサイルや機雷、魚雷を搭載でき、ソノブイ(音響探知機と無線機を備えたブイ)の投下も可能だ。
米海軍はP-8を128機保有しており、いわゆる「フライアウェイ・コスト」は1機あたり1億7100万ドル(約273億円)となっている。フライアウェイ・コストとは、飛べる状態の航空機1機を生産するのに要する限界費用のことで、運用や支援、研究開発などの費用を含まないステッカー価格(表示価格)というふうにも説明される。



