北米

2026.04.14 07:00

数百億円の米軍無人機、ホルムズ海峡で消息を絶つ

Mike Mareen - stock.adobe.com

つまり、米海軍はトライトンの調達計画数を6割減らし、一段のコスト高に見舞われる前に損失の抑制を図ったというわけだ。

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この削減にともない、トライトンの運用はわずか3つの「オービット(ローテーション体制)に縮小されることになった。各オービットは、空中に1機、交替準備の整った1機、準備中の1機、予備機1機で構成される。残りのMQ-4Cは訓練や整備、損失の補充に使用される。

繰り返しになるが、フライアウェイ・コストは総コストではない。トライトンの総コストは2024年時点で1機あたり2億4300万ドル(約388億円)だった。調達総額はおよそ50億ドル(約8000億円)にのぼる。

これには研究開発費は含まれていない。あいにくトライトンは研究開発費も大幅に予算を超過し、66億ドル(約1兆500億円)に膨れ上がっていた。これも含めると、プログラムの総費用は110億ドル(約1兆7500億円)を上回る。当然、調達機数が少なくなるほど1機あたりの研究開発費はかさむことになる。

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したがって、ステッカー価格は1億8700万ドルだとしても、生産全体を通じて見れば、トライトンは最終的に1機あたり4億ドル(約640億円)を超えるコストを米政府に負担させる結果になった。

別の言い方をすれば、米海軍はより安価なはずだったMQ-4Cトライトンを27機購入する代わりに、高価なP-8ポセイドンをさらに60機調達することもできたことになる。もしそうしていれば、新たな機種の導入や運用にともなう追加のコストや複雑さも回避できていたはずだ。

また別の言い方をすれば、トライトン1機のコストはおそらく、米軍が最近イランで実施した搭乗員救出作戦の際に、放棄・爆破処分したMC-130特殊作戦輸送機2機分にほぼ相当するだろう。

コスト膨張が相次ぐ国防総省のドローン計画

国防総省の低コストのドローンプログラムとして始まったものが結局、長年の経緯を知る冷ややかな観察者を除けば誰も予想していなかったほど高コストになるという例は、実のところ枚挙にいとまがない。なかには、ドローン1機のコストが同じ重量の金(ゴールド)より高くなったケースもある。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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