チャンポン・ジャオ(趙長鵬。49)は、暗号資産取引所バイナンスの創業者だ。過激派組織ハマスなどテロリストによるマネーロンダリング(資金洗浄)の防止を怠ったことで起訴され、有罪判決を受けたが、トランプ大統領から恩赦を与えられた。彼は、自費出版した新著『Freedom of Money』の中で、自分がいかにして事業を成功に導き、世界有数の富豪になったのかを美化して語っている。
バイナンス創業者ジャオが出所後に回顧録を自費出版──復活を印象付ける意図の表れ
バイナンス創業者で、CZとして知られるビリオネア、チャンポン・ジャオが回顧録を自費出版した。この本の出版のタイミングには、暗号資産業界での急成長と転落をめぐる自分なりの物語を世界に示し、あわせて自身の復活も印象づけようとするジャオの意図がはっきり表れている。
『Freedom of Money: A Memoir of Protecting Users, Resilience, and the Founding of Binance(お金の自由:ユーザー保護と逆境を乗り越えた歩み、そしてバイナンス創業の回顧録)』と題されたこの書籍は全364ページで、英語版と中国語版が自費出版された。アマゾンのKindleでは9.99ドル(約1588円。1ドル=159円換算)で販売されており、すでにKindle本全体のランキングで4位に入っている。
本書は、ジャオが中国の農村部からカナダへ渡り、その後、東京、ニューヨーク、上海で働いたのち、最終的にバイナンスを立ち上げるまでの道のりをたどる。バイナンスは驚異的なスピードで成長し、世界最大の暗号資産取引所になった。ジャオは、バイナンスが米規制当局と長く対立した経緯や、悪質な資金洗浄業者を助長したとして同社が43億ドル(約6837億円)という過去最大級の和解金を支払ったことにも触れている。自身がカリフォルニアで4カ月の禁錮刑を受け、その間に本書を書き始めたことや、トランプ大統領の恩赦を受けたことも振り返っている。
ジャオによれば、この回顧録は、自身をニュースでしか知らない読者や、長年にわたって自身に興味を持ってきた人々、そして、1人の創業者がいかにして業界を形作り、その代償を払うことになったのかに関心を持つすべての人に向けたものだという。多くの回顧録と同じように、この本もまた、何を選び、何を強調するかで形づくられている。



