こうなると、経営側から満足のいく期待や評価が示されるとは思えない。それに対して、満足できない、どちらとも言えないと答えた約66パーセントに、その理由となる項目を3段階評価で答えてもらった。すると、もっとも1位が多かった理由が「自分に何を期待しているのかが分かりにくい」というものだった。次が「評価が上司の主観に左右されていると感じる」、さらに「どこまでできればよいのか、求められる水準がわかりにくい」などとなった。評価やキャリアパスに関する基準が定まっていない証拠だ。
スキルマネジメント研究所の山川隆史所長は、この調査で明らかになったのは「『キャリア支援の不在』が製造現場における働きがいの低下と人材流出リスクの根本にある、という構造的な事実」だと話す。さらに、面談の機会、スキルの可視化、キャリアパスの提示は、決して福利厚生ではなく、現場の生産性、品質、技術継承を左右する「経営課題」だと指摘している。
定期的な面談、適切な業務のアサインは技術者、技能者からの要望が高い。面談の場を設けることなどは、そう困難な課題ではないはずだ。小さなところから改善を始めてみてはどうか。


