経営・戦略

2026.04.16 07:15

製造業の人材流出を招くワースト理由。期待が不明確な職場の実態

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製造業の技術者(研究開発などを行う人)と技能者(製造現場でものづくりに携わる人)は、会社の経営陣との間に溝があることがわかった。評価やキャリア支援の制度が未整備のため、技術者、技能者は不安を抱えながら働いている実態が調査によって見えてきた。

製造業の人材不足をスキルデータで解決するSkillnote(スキルノート)が運営する「スキルマネジメント研究所」は、製造業の技術職と技能職342人を対象に「働きがいとキャリア形成に関する実態調査2026」を実施した。それによると、現在、仕事にやりがいを感じている人は、5段階評価の1位「非常にそう思う」と2位「どちらかと言うとそう思う」をあわせた割合(以降、肯定派)が約41パーセントと半数を切っている。

自身の仕事や業務について、5段階で評価してください。
自身の仕事や業務について、5段階で評価してください。

また、「自身が持つ技術や知識、経験が担当業務で活かされていると感じる」の肯定派の割合も約44パーセントと少ない。さらに、「仕事ぶりや努力が認められていると感じる」も同程度に低い。

「現場や業務の改善に意見を言いやすい」、「今の仕事に前向きに取り組めている」、「仕事に誇りを感じる」といった項目でも、肯定派はどれも4割前後だ。

自身のキャリア形成について、5段階で評価してください。
自身のキャリア形成について、5段階で評価してください。

そうした職場では、将来を見通せない。「5年後に自身に任されている役割や業務のイメージができている」の肯定派の割合は約26パーセントと非常に少ない。「会社のなかでの成長ルート(キャリアパス)が明確に見えている」、「求められる役割や今後身につけるべきスキルが明確である」という質問でも少数だ。

会社や直属の上司による支援に関する満足度を5段階で教えてください。
会社や直属の上司による支援に関する満足度を5段階で教えてください。

より具体的な質問で、問題がさらに明確になる。「定期的にキャリアや今後の期待に関する面接の場が設けられていると感じる」は肯定派が約27パーセント。「社員の強みが活きる業務のアサインを行っていると思う」は約22パーセント。「担当業務や次の役割に必要なスキル・知識・資格が会社として整理されている」、「自分の習熟度やスキルの状況が、見える形で把握できるようになっている」、「OJTなどの教育が計画的に行われていると感じる」軒並み20パーセント台と低い。

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文 = 金井哲夫

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