2024年9月の創業から間もなく、Crosbyがすでに約100社の顧客を獲得
「弁護士の仕事にとって、ここ100年で最も劇的な変化が起きている」とCrosbyのCEO、ライアン・ダニエルズは語る。元弁護士のダニエルズは、複数のAI新興企業で10年以上にわたり社内弁護士を務めてきた人物だ。彼は2024年9月、決済関連新興企業Rampの元エンジニアリングマネジャー、ジョン・サリハンとともにCrosbyを共同創業した。
創業間もないCrosbyは、すでに約100社の顧客を抱えている。顧客には、Anysphere、Clay Labs、Cognition AIといった注目のAI新興のほか、運用資産が644億ドル(約10.2兆円。1ドル=158円換算)の不動産大手ティッシュマン・スパイヤーが含まれる。
2026年3月、シリーズBで約95億円を調達
CrosbyのAIエージェントは、これまで1万3000件の契約書を審査しており、売上高は2025年10月以降で約400%増加した。同社は2026年3月30日、大手ベンチャーキャピタルのインデックス・ベンチャーズとラックスキャピタルが共同リードしたシリーズBラウンドで、6000万ドル(約95億円)を調達したと発表した。このラウンドには、セコイア・キャピタル、ベインキャピタル・ベンチャーズ、独立系ベンチャー投資家(ソロ・ゼネラルパートナー)のエラッド・ギルも参加した。
Crosbyは1カ月前、本社をマンハッタンのソーホー地区にあるクロスビー・ストリートに移転した(社名との一致は偶然だとされる)。この資金調達に詳しい関係者によると、同社の評価額は4億ドル(約632億円)に達している。
6分単位の時間記録をなくし、ページ数に応じた料金体系を導入
Crosbyは、従来の法律事務所のビジネスモデルを根本から変えようとしている。既存のタイムチャージのモデルでは、弁護士は6分単位で作業時間を細かく記録し、契約ごとに複数の請求書を送る。ダニエルズは、この仕組みが「負担が大きい」と述べている。
これに対しCrosbyは、契約書1件につき250〜1000ドル(約4万〜16万円)を請求している。金額はおおむねページ数に応じて決まり、1ページ当たり約10〜50ドル(約1580〜約7900円)になる。法律関連の情報サイトMondaqによれば、既存法律事務所でも基本的な契約書レビューの料金はこれに近い水準だが、複雑な案件では最大3000ドル(約47万円)に達することもある。Crosbyはまた、複数回にわたってレビューを行った場合でも、顧客への請求は1回しか行わない。ダニエルズは、AI時代に合わせ、ゼロから構築したサービス企業であるCrosbyを、「ネオファーム」と呼んでいる。


