AI

2026.04.15 17:00

1日24億円のSoraから79兆円のスターゲートまで──OpenAIの製品と案件の実態

stock.adobe.com

エヌビディアとAMDへの出資計画はすべて条件付きで、実現の見通しが立っていない

OpenAIとエヌビディアは2025年9月、エヌビディアがOpenAIに最大1000億ドル(約15.8兆円)を出資する「意向がある」と発表し、大きな注目を集めた。ただし、この合意には実行時期が示されておらず、2026年3月のジェンスン・フアンCEOの発言によれば、OpenAIが近く上場した場合でも、実際に受け取る金額は300億ドル(約4.7兆円)にとどまる可能性がある。

advertisement

エヌビディアが2月末に提出した最新の年次報告書では、「当社がOpenAIとの出資および提携契約を締結する保証はなく、取引が完了する保証もない」という、慎重な表現が使われていた。

OpenAIが2月に総額1100億ドル(約17.4兆円。後に1220億ドル[約19.3兆円]へ拡大)の大型資金調達ラウンドを発表した際、そこにはエヌビディアによる300億ドル(約4.7兆円)の現金出資も含まれていた。ただし、この資金が一括で投じられるのか、複数回に分けて拠出されるのかは明らかになっていない。いずれにせよ、3月31日に最初の払い込みが行われたとみられるこの投資は、エヌビディアにとって過去最大のエクイティ投資となる。半導体大手の同社が2025年、未上場企業への投資(Groqの案件を除く)に投じた金額は、およそ175億ドル(約2.8兆円)だった。

エヌビディアは当初、OpenAIが同社製GPUを使った総電力10ギガワット規模のAIデータセンターを整備するうえで、この出資が後押しになると説明していた。だが現時点では、300億ドル(約4.7兆円)で賄えるのはおよそ1ギガワット分にすぎない。OpenAIは今後8年間で、主にGPU購入を中心とする計算資源に1兆ドル(約158兆円)超を投じると予測されている。その巨額投資と比べれば、エヌビディアの出資は、粗利益率75%の企業が自社製GPUの購入資金を一部肩代わりしているようなものにすぎない。エヌビディアとOpenAIは、この取引に関するコメント要請に応じなかった。

advertisement

この構図は、CoreWeave、Nebius、Nscaleのように、エヌビディアの顧客でもあるAI企業との取引にも似ている。つまり、エヌビディアは、その資金が自社製品の購入に使われると分かったうえで出資している。

AMDとの約4.7兆円の株式取得も、条件が揃わず権利確定に至らず

エヌビディアとの最大1000億ドル(約4.7兆円)規模の提携構想を発表してから1カ月後、OpenAIはこれとは別に、エヌビディアの最大のライバルであるAMDとの契約も明らかにした。この契約は、OpenAIが総電力6ギガワット規模のデータセンターにAMD製チップを導入する見返りとして、AMDの発行済み株式の約10%にあたる1億6000万株を受け取る内容となっていた。

その株式の現在価値は約300億ドル(約4.8兆円)だが、権利が確定し始めるのは、1ギガワット規模のデータセンターが稼働してからだ。AMDの株価が公表されていない目標水準に達することに加え、OpenAI側が具体性の乏しい「技術面および事業面のマイルストーン」を満たすことも条件となっている。

2025年末時点では、AMD株はまだ1株も権利確定していなかった。ただし、現時点で計画に遅れが出ているわけではない。AMD製チップは2026年後半に納入が始まる予定だ。この契約が完了すれば、AMDは数百億ドル(数兆円)規模の売上高を見込んでいる。逆に、AMD製チップとデータセンターが思うように拡大しなければ、誰も対価を得られない。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事