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2026.04.13 12:30

世界の目がイランに向く間に、中国は南シナ海の島を奪取した

クレスセント(クレセント)群島、2016年1月。南シナ海に位置する係争中のパラセル諸島(西沙諸島)の一部にあたる、クレスセント群島の衛星画像。2016年1月22日時点で、アンテロープ礁、パトル島、ドラモンド島、ダンカン島、パーム島、ロバート島、オブザベーション・バンク(岩礁)、マネー島が確認できる (Photo by USGS/NASA Landsat /Orbital Horizon/Gallo Images/Getty Images)

中国の人工島造成計画は違法である

中国による同様の島嶼(とうしょ)造成活動は、UNCLOSの下で違法と認定されている。2013年から2015年にかけて中国は南沙諸島(スプラトリー諸島。新南群島)で大規模な埋め立てを行い、主としてフィリピンとベトナムが領有を主張する海域に7つの人工島を建設した。これらの前哨拠点は、中国の情報収集・監視能力を高め、プレゼンスと主権主張を強化し、作戦上の優位性を拡大した。中国の人工島造成計画は、近隣諸国のEEZにおける主権的権利も侵害してきた。2016年、フィリピンと中国の間の画期的な仲裁判断において、仲裁廷は、大規模浚渫が広範なサンゴ礁破壊を引き起こしたことは、汚染および生態系損傷の防止・軽減・管理の義務を含む、海洋環境の保護と保全に関するUNCLOS第12部上の義務に違反すると認定した。

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アンテロープ礁での建設を正当化する中国の論理は、仲裁判断の前後に南沙諸島について述べていたことと呼応する。2015年、中国外務省は人工島建設について、「機能を最適化し、そこに駐留する要員の生活・勤務条件を改善し、領土主権と海洋権益をより良く守る」ことが目的だと述べた。2017年には、報道官が、施設建設の目的は駐留要員の生活・勤務条件の改善と主権のより良い防衛だと述べた。

そして2026年、中国外務省は3月23日、西沙諸島は「本来の中国領土であり、争いはない」とした上で、「自国領土での必要な建設は、島々の生活・勤務条件を改善し、地域経済を発展させることを目的としている」と述べた。中国は建設を日常的な国内統治として再定義している。民生利用に焦点を当て、民間の存在を確立することで、主権に関する問いから目をそらそうとしている。中国は黄海に最近建てた構造物についても、同様の主張を展開している。

アンテロープ礁への戦力集積は、中国の偵察抑止能力と潜水艦攻撃能力を強化

中国は2016年の仲裁判断を「無効」で「紙くず」だと宣言した。ただし一定期間、南シナ海で新たな島を造ることは停止していた。仲裁判断後は南沙諸島での造成をやめ、アンテロープ礁での最近の建設は、2017年以来初となる重要な島嶼造成であり、同国の島嶼造成キャンペーンの大きなエスカレーションでもある。

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中国は、以前よりはるかに速く島を造れることを世界に示しており、将来のいかなる事態にも対応し得る能力を実証している。アンテロープ礁の埋め立て地は、南シナ海で最大の人工島になるペースにある。中国はしばらくの間、南沙諸島を軍事化していないと主張してきたが、アンテロープ礁の軍事化については隠していない。アンテロープ礁のラグーンの規模は、大型の大型海警船と海上民兵のプレゼンスを常駐させるに足り、西沙諸島におけるそれら艦隊の強力な拠点となり得る。

アンテロープ礁は、中国人民解放軍南海艦隊の三亜港にある潜水艦基地から約300kmの位置にある。アンテロープ礁での戦力増強は、米国の偵察活動を抑止し、基地周辺の潜水艦を標的にする中国の能力を強化する可能性がある

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