主要な調査結果5「AIの環境ジレンマ」
AIの導入と、その高いエネルギー需要というテクノロジー固有のトレードオフを、組織はどのように舵取りしているのか。
回答者は自由記述で答え、支配的だったのは「バランスだ」という趣旨の回答だった。
そのスペクトラムの一方には、サステナビリティ目標への配慮を欠かさずに「AIを優先する」と率直に認めた回答者がいた。カーボンオフセット、再生可能エネルギーで稼働するデータセンター、低消費電力のエッジAIといった手段でエネルギー需要を相殺し、資源効率に直接寄与するユースケース、あるいは汎用で高計算負荷のモデルではなく小型で特化したモデルに依拠するユースケースを優先すると述べた。
反対側の端にいるより小さなグループでは、サステナビリティが明確な制約条件となり、AIプロジェクトを承認するかどうかに影響する。「新しいAIプロジェクトを始める前に、それによってどれだけエネルギー使用が増え、どれだけ排出量を削減できるかを計算している」と、ある経営幹部は語った。
さらに、このトレードオフという前提自体を退けるグループもいる。彼らにとって、AIはサステナビリティと緊張関係にあるのではなく、その実現手段だ。エネルギー消費の最適化、排出量の追跡、再生可能エネルギーの導入管理にAIを活用し、環境面の便益がエネルギーコストを上回ると主張する。
ある経営幹部は、自社では「AIとサステナビリティを対立する力ではなく、AIの予測能力を用いて当社の施設のカーボンフットプリントを劇的に減らす、統合された戦略として捉えている」と述べた。飲料業界の別の回答者は、AIが自社の醸造所における水とエネルギーの使用を最適化し、「業務効率と環境目標が実際に相互に推進し合う」ようにしていると指摘した。
姿勢はさまざまだが、ジレンマは普遍的である。AIと環境サステナビリティの緊張について「考えたことがない」と答えた回答者は、ほとんどいなかった。
主要な調査結果6「評判は競争上の堀である」
CEOは、今年の事業パフォーマンスを左右する要因の中で、「信頼と評判」を「AIとイノベーション」よりも上位に位置づけた。その差は23ポイントだった。
ディープフェイクとデータ侵害が蔓延する世界で、このソフト資産は、2026年の成長に不可欠なハード要件となった。
■調査方法
Forbes Researchの「2026年 CxO成長調査」は、さまざまな業界にまたがる年商10億ドル(約1590億円)超の企業に所属する経営幹部(C-suite)1150人を対象に実施した。回答者の地域は北米が46%、EMEAが22%、APACが22%、LATAMが11%だった。調査期間は2025年11月から2026年1月である。


