欧州

2026.04.12 08:00

EUの対ウクライナ政策を左右するハンガリー総選挙 政権交代の可能性は

ハンガリーのオルバン・ビクトル首相。2026年3月15日撮影(Janos Kummer/Getty Images)

ハンガリーのオルバン・ビクトル首相。2026年3月15日撮影(Janos Kummer/Getty Images)

12日に予定されているハンガリーの議会選挙は、国内政治の枠をはるかに超えた影響を及ぼすことになるだろう。争点は、ハンガリーが欧州連合(EU)の対ウクライナ支援に抵抗し続けるのか、あるいはその圧力を緩和し始めるのかという点にある。

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同国のオルバン・ビクトル首相は、EUによるウクライナ支援に批判的な立場を取っている。これにより、ハンガリーはEU内の全会一致を要する問題で足かせとなってきた。ウクライナ侵攻を巡り、ハンガリーは軍事面や経済面で主要な役割を果たしているわけではないが、EUの意思決定を遅らせる能力を持つことから、EUとロシアの双方にとって戦略的に重要な存在となっている。

オルバン首相は今回の選挙を「戦争か平和か」という選択だと位置付け、ウクライナへの関与は事態の悪化を招く恐れがあると訴えている。こうしたメッセージは、国内の有権者に向けられている一方で、ウクライナの紛争はロシアの侵略ではなく、西側の行き過ぎた介入の結果であるとするロシア側の主張とも一致している。

ウクライナにとって、隣国ハンガリーの議会選挙の重要性は明らかだ。筆者の取材に応じたウクライナ・オデサ国立大学国際研究センターのウォロディミル・ドゥボビク所長は、「オルバン首相が敗北すれば、間違いなくウクライナの利益になる」との見方を示した。その上で、「同首相の長期にわたる在任期間中、ウクライナ関係では一貫して否定的な局面が続いている」と指摘。同所長はさらに、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とオルバン首相との親密な関係は、ウクライナではかねてより懸念されていたが、その懸念はウクライナ侵攻で一層深刻化していると説明した。

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オルバン首相はここ数カ月、ウクライナに対する発言を強めているが、この変化は少なくとも一部は国内政治的な配慮によるもののようだ。欧州議会のクリスチャン・テルヘシュ議員は、筆者の取材に次のように述べた。「オルバン首相によるウクライナへの敵対的な言葉は主に国内政治に向けたものであり、ハンガリー経済の低迷の責任を外部の要因に転嫁しようとしているのだ。ウクライナは今後もハンガリーの隣国であり続ける。困難な時期にウクライナを弱体化させるというオルバン首相の決断は、政治的、戦略的、そして道義的に長期的な影響を及ぼすことになるだろう」

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翻訳・編集=安藤清香

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