リーダーシップ

2026.04.11 22:56

組織を蝕む「経営層の負のエネルギー」3タイプ

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経営幹部が苦しむのは、能力が足りないからではない。多くの人は深い才能と経験、そして相当なエネルギーを職務にもたらしている。求められるスピードと負荷がそれを必要とするからだ。そして、そのエネルギーがほんのわずかでもずれると、影響は即座に現れる。

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負のエネルギーが負の結果を生むのは驚くことではないかもしれない。しかし、有能なリーダーであっても兆候を見落とすことがある。理由の1つは単純だ。負のエネルギーは、見抜くのが最も難しいタイミング──リーダーが疲れ、プレッシャーにさらされ、ストレスを抱え、余裕を失っているとき──に、まさに表面化しやすい。見過ごされれば、それはたちまちリーダーの思考、関わり方、意思決定に影響を及ぼす。

もう1つの理由は、組織の中でエネルギーが「ウェルネス」や「燃え尽き」といった話題を除けば、明確に語られることがほとんどない点にある。CEO自身も、自社組織内にある抵抗の強さを一貫して指摘している。PwCの調査によれば、CEOの約半数が、社内のプロセスや構造が成果の実現を制限していると答えている。

最上位の層でさえ、リーダーは相当な摩擦の中で舵取りをしている。しかし、パフォーマンスを左右するより微妙な要因は、往々にして水面下にとどまる。とはいえ、企業全体のレベルでは、エネルギーは常に作用している。前進を加速させることもあれば、成長を阻む見えない力として働くこともある。単なる「ポジティブ/ネガティブ」をはるかに超えて、エネルギーは多様な形で現れる。その中でも注意すべき負のエネルギーの具体的なパターンが3つある。「証明」「演じる」「完璧主義」だ。

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「証明」のエネルギー:リーダーの不安
「証明」のエネルギーは不安に駆動される。自分の価値を証明したい欲求として現れ、実績を強調したり、専門性を再確認させたり、あらゆる会話で自分の声が確実に届くようにしたりする。新しい役職や新しい組織に入ったばかりのリーダーが、早く信頼と信用を確立したいと考えるときに見られやすい。発想自体は正しいが、それが時間とともに形成されること、あるいは自分の専門性や才能が自然と周囲に伝わることを信じられず、プロセスを急いでしまう。

「証明」のエネルギーは、過剰な説明や不要な詳細の追加として現れることもある。価値があるかどうかにかかわらず、あらゆるテーマに口を挟む形にもなる。「前職ではこうしていた」と頻繁に言うリーダー、過去の勝利や称賛、達成を繰り返し持ち出すリーダーにも表れる。「慣れたものだ」といった言い回しを好む人もいる。

表面の下で、「証明」のエネルギーを持つリーダーは、私たちに絶えずこう伝えている。「私は経験がある。才能がある。賢い。評価されるべきだ。ここにいる資格がある」。だが問題は、それが間違った問いに答えていることだ。経営層のレベルで、あなたが十分に賢いかどうかを問う者はいない。あなたはすでにその場にいる。役職を勝ち取り、理由があってそこにいる。本当の問いは「成果を出せるか」「私たちを助けられるか」だ。価値があるかどうかを証明することではなく、価値をどう生み出せるかを示すことが重要である。

「演じる」のエネルギー:どう見られるかを管理する
「演じる」のエネルギーは、強いリーダーシップや威圧感のあるスタイル、いわゆるエグゼクティブ・プレゼンスと混同されがちだ。洗練され、前向きで、場を掌握しているように見えるからである。しかし内側では、特定の見られ方を求める欲求が原動力になっている。過度に慎重で政治的な振る舞いとして現れ、アイデアが厳密に管理されることもあれば、すべてが常に「順調」「力強い」といった安全な言葉に収れんする、慎重すぎるコミュニケーションとして表れることもある。必要以上に明るい態度、常に「オン」で台本どおりに感じられる存在感、ネットワーキングや可視性を高める取り組みが無理に見えたり、取引的に見えたりすることもある。

もちろん、経営幹部には楽観性が求められる。しかし「演じる」のエネルギーが強すぎると不均衡が生じる。チームやCEOが求めているのは、絶え間ないポジティブさではない。求めているのは判断力と、現実を明確に読み取る力だ。前向きさが過剰になると、不自然、あるいは不十分に映りうる。人々は疑い始める。「このリーダーは本気なのか」「リスクや問題を認識しているのか」「状況を客観的に見られるのか」。このレベルでは、洗練や存在感が役立つ場合もあるが、経営層が求めるのは率直さ、明晰さ、そして本音である。「演じる」のエネルギーが強すぎると不信、曖昧さを生み、聞き手は「全体像が示されなかった」という感覚を抱く。

「完璧主義」のエネルギー:結果をコントロールする
「完璧主義」のエネルギーは、手放すのが最も難しいことが多い。なぜなら、それがキャリアを築いてきた要素だからだ。多くのリーダーにとって、それは高い基準、細部への注意、そして卓越した仕事を安定して届ける姿勢として現れる。これらはすべて、リーダーシップとして望ましい特性である。だが経営層のレベルでは、「完璧主義」のエネルギーはスピードと実行の大きな障壁になりうる。

対処の第一歩は、「すべてをうまくやる」ことから、「何を本当にうまくやる必要があるのかを見極める」ことへと、焦点を切り替えることだ。言い換えれば、10が必要な場面はいつで、7で十分な場面はいつか、という問いである。こうした識別力は学習によって身につく技能で、必ずしも教えられるものではない。そのため多くの場合、常にアクセルを踏み続け、すべてが10になってしまう。

ギャラップの調査によれば、チームのエンゲージメントのばらつきの少なくとも70%はリーダーによって説明される。リーダーがコントロールと完璧さに過度に寄ると、エンゲージメントとパフォーマンスは低下する。核心にあるのはリスク回避であり、コントロールは失敗を防ぐ手段になる。強いリスク回避傾向を持つリーダー、あるいはミスやいかなる失敗にも寛容でない組織では、「完璧主義」のエネルギーが多く見られるだろう。対抗策は何か。それは、「私たちは失敗から学べる」「望ましくない結果にも対処できる」「失敗を経験し、必要に応じて調整できる」と言える種類の自信である。

「証明」「演じる」「完璧主義」から抜け出す
これらの負のエネルギーは、うまくやりたい、貢献したい、成功したいという欲求から生まれる。しかし共通点が1つある。焦点と注意と努力を、自分自身に向けさせてしまう点だ。目標はこれらのパターンを排除することではない。プレッシャー下での反応として、誰にでも起こりうるからである。重要なのは、リアルタイムでパターンを認識し、より意図的な選択をすることだ。例えば、次のように取り組む。

まず、自分の「デフォルトの型」を特定する。圧力が高いとき、3つの傾向のうちどれが最も一貫して現れるかを考える。それが実際の行動としてどう表れているかに注意を向けたい。何を言っているのか、あるいは言っていないのか。会議でどう関わっているのか。そうした瞬間、周囲はあなたをどう受け止めているだろうか。

影響を見る。「証明」「演じる」「完璧主義」のいずれかに一貫して傾くと、チームや同僚に何が生まれるのか。自分は何を失っているのか。どこで前進を遅らせ、信用を制限し、他者があなたの判断を信頼するかどうかに影響しているのか。

行動を駆動しているものを探る。負のエネルギーには理由がある。なぜそれが起きるのか、背後に何があるのかを探究することが、より深い気づきと持続的な変化を生む。背景には、信用、評判、コントロール、あるいはリスク回避の欲求があるかもしれない。その根本要因を明確にすることが、転換を可能にする。

そこから、すぐに実行できる「目に見える1つの変化」に集中する。大きな変更である必要はない。意味のある調整は、小さくても成立する。

  • 「証明」に傾きやすいなら、より意図的に貢献することに集中する。発言を減らし、自分が加える内容が会話を確実に前へ進めるものだけにする。
  • 「演じる」に傾きやすいなら、心地よいと感じる以上に率直になる。自然で本物らしく話し、実際に起きていることにメッセージを結びつける。
  • 「完璧主義」に傾きやすいなら、完全に仕上がったと感じる前に仕事を前へ進める。「10」の集中が必要なものと、「7」で十分なものは何かを考え、その焦点の差をリーダーシップに反映させる。

著者ダニエル・ゴールマンは「リーダーの気分と行動が、他の全員の気分と行動を動かす」と書いている。エネルギーは閉じ込められない。リーダーの中にとどまり続けることもない。チームに、組織に広がり、最終的にパフォーマンスとして現れる。

強いリーダーは一貫して強いエネルギーをもたらす。だが最も経験豊かなリーダーであっても、ときに負のエネルギーのパターンに陥る。違いは、そうした瞬間が起きるかどうかではない。それをリアルタイムで認識し、調整できるかどうかである。そうして初めて、組織に適切なエネルギーが広がっていく。

forbes.com 原文

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