リーダーシップ

2026.04.13 14:00

AI生成の「それっぽい成果物」が職場を侵食──ビジネスリーダーはどう抗うべきか

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『武器よさらば』を書いていた頃、アーネスト・ヘミングウェイは、その結末を完璧に仕上げることに取りつかれていた。実際、彼は結末だけで39通りの別案を書いた。インタビューで、その作業の何がそこまで彼を行き詰まらせたのかと問われると、いかにもヘミングウェイらしく、「言葉を正しくすることです」と答えた。

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現在では、何かを細部まで磨き上げて完璧に近づけるという発想は、ほとんど時代錯誤にさえ見える。ChatGPTがそれなりに使える結末をさっと作ってくれるのに、なぜそこまで苦労する必要があるのか、というわけだ。

リーダーの新たな課題は、AIワークスロップに目を光らせること

だが、私はそうは思わない。AIは多くの場面で非常に役立つが、考えるべき仕事の代わりにそれを松葉杖のように使おうとする誘惑は、有害なものになりつつある。その結果、今増えているのが「ワークスロップ」(workslop、質の悪い成果物)と呼ばれるものだ。これはAIが生み出した成果物で、見た目には質が高そうでも、実際には仕事を前に進めるのに必要な中身を欠いているものを指す。

おそらく誰もが、AIワークスロップを山ほど受け取ってきたはずだ。要点をきちんと押さえていないAI生成の要約。見た目は整っているのに何も言っていない戦略メモ。文法的には正確でも、肝心の質問に答えておらず、結局3回も追加の確認が必要になるメール。

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リーダーにとって、ワークスロップに目を光らせることは新たな課題である。平凡さを受け入れずに、どうすれば効率を高められるのか。組織を実際に前進させる批判的思考をAIに置き換えさせず、その力をどう生かすのか。

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翻訳=酒匂寛

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