サトシ・ナカモトの正体だと考えられてきた人々
●アダム・バック
ビットコインのホワイトペーパーで直接言及されているサイバーセキュリティシステム「Hashcash」を発明した、英国の暗号学者でBlockstreamのCEO。タイムズの調査報道以前にも、フィナンシャル・タイムズやプログラマーのジョン・マカフィーが、バックを有力候補として挙げていた。
ニック・サボ
2005年にビットコインの直接の前身である「Bit Gold」を設計したコンピューター科学者で、イニシャルがサトシ・ナカモトの逆順になっている。ブロガーのSkye Greyによる2013年の分析では、ホワイトペーパーに最も近い文体だとされた。サボは繰り返し否定している。
●ハル・フィニー
サトシから最初のビットコイン取引を受け取った暗号技術の先駆者で、「Dorian Satoshi Nakamoto」という人物の数ブロック先に住んでいた。Juola & Associatesの文体分析では、当時検証した候補の中でサトシとの文体的一致が最も近いと順位付けされたが、本人は否定した(フィニーは2014年にALSで死去)。
●ピーター・トッド
HBOの2024年のドキュメンタリー『Money Electric』で注目を集めた著名なBitcoin Core開発者。同作は、トッドが「文脈を外れて真に受けられた冗談だった」とするフォーラム投稿を軸に状況証拠を積み上げた。本人は否定しており、暗号資産コミュニティは概してドキュメンタリーの結論を退けている。
●ウェイ・ダイ
ビットコインのアーキテクチャに直接の影響を与えた「b-money」を作ったコンピューター科学者で、サトシがホワイトペーパー公開前に個人的にメールを送った数少ない人物の1人。ダイは一貫して関与を否定し、サトシは自身の原典を読まずに独立してアイデアを再発明したように思えると述べている。
●レン・サッサマン
2011年7月の自死が、サトシが餞別のようにも読めるメールを送った同じ月と一致した暗号学者。ビットコインの使命との深い思想的整合性と技術的背景から、バイラル化したMedium投稿で候補に挙げられたが、証拠はいずれも状況証拠であり、本人の死によって検証は不可能となっている。
●クレイグ・ライト
自分がサトシであると公然かつ法的に主張し、訴訟を起こして暗号資産コミュニティに承認を求め続けたオーストラリアのコンピューター科学者。英国高等法院は2024年、裏付け文書が偽造であり、宣誓下で広範に虚偽を述べたと断定し、法的に正式に候補から除外された唯一の人物となった。
●ドリアン・サトシ・ナカモト
2014年のニューズウィークの表紙記事が誤って解釈された発言を根拠に結び付けた、カリフォルニア在住の日系米国人の退職エンジニア。ビットコインとの実質的な関係は名前を共有していることだけで、本人は一貫して関与を否定している。技術的証拠が皆無にもかかわらず、大衆文化においてサトシとして最も一般に想起される顔であり続けている。


