北米

2026.04.11 11:00

米国人の間で広がる経済悲観論、過去最高水準に イラン情勢への懸念で

Minerva Studio/Adobe Stock

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米ミシガン大学が10日に発表した調査結果によると、イラン情勢に対する国民の懸念が広がっていることから、4月の米国の消費者信頼感指数は過去最低水準まで低下した。

米国民の経済観測を示す消費者信頼感指数は、前月の53.3から47.6に急落し、市場予想の52を下回った。これは2022年6月に記録した過去最低値の50や、昨年11月の50.3をも下回る数値となる。

調査責任者のジョアン・スー准教授によると、回答者へのインタビューの約98%は、今週初めに停戦が発表される前に完了していたという。

この調査は過去の値の100を基準値とし、これを下回ると米国人の間で経済的な悲観論が高まっていることを示し、逆に上回る(前回は2018年)と、楽観論が優勢であることを示している。

米国人は、イランへの軍事作戦が国内の物価や個人の家計に悪影響を及ぼすことを懸念している。回答者は今後1年間で支出が4.8%上昇すると予想しており、これは3月の予測値である3.8%を大きく上回った。消費者が物価高や資産価値の下落に対する懸念を大幅に強めていることを受け、個人の家計状況に対する評価は11%低下した。スー准教授は、消費者の多くが経済の悪化の原因はイラン攻撃にあると見なしていると指摘し、同紛争に起因する石油供給の混乱が解消され、ガソリン価格が低下すれば経済への見通しも改善する可能性が高いと説明した。

米労働統計局の報告によると、4月のインフレ率は前月比0.9%上昇し、3.3%となった。ガソリンなどの燃料費や光熱費の動向を示す同局のエネルギー指数は前月比10.9%上昇し、2005年以来の上昇幅を記録したことに伴い、消費者物価が押し上げられた。ガソリンと灯油の価格は1カ月でそれぞれ21.2%と30.7%急騰し、灯油は年間で44.2%値上がりしている。

4月に入り原油価格が100ドル台で推移していることを受け、ここ数週間、イラン情勢が消費者物価に与える影響への懸念が広がっている。アナリストらは、今週初めに合意された停戦が投資家にとって「安全」であることを意味するものではないと指摘しており、米金融大手ゴールドマン・サックスのリッチ・プリボロツキーは、今回の停戦合意は「本質的に脆弱(ぜいじゃく)」だとの見方を示した。世界の石油供給量の約5分の1が通過するペルシャ湾の要衝ホルムズ海峡は現在、事実上封鎖状態にあり、長期的な合意が成立した場合でも完全な開放までには数カ月はかかるだろうとの懸念が広がっており、原油価格が混乱前の水準に戻るには時間がかかるとみられている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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