2019年に復活したパスポートは、かつてのいすゞ製モデルに搭載されていたような本格的な4輪駆動システムを持たなかったが、アキュラ(ホンダが海外で展開する高級車ブランド)の「SH-AWD(スーパーハンドリング・オールホイールドライブ)」に似た、左右の後輪にそれぞれトルクを配分できるシステムが採用された。左右の後輪に備わる2つの電子制御可変トルククラッチは油圧で作動し、より高いトラクションが得られる車輪に駆動力を配分することで、滑りやすい状況でも安定した走行を維持する。
2022年に現行型パイロットがデビューした際、前述のシステムをベースにさらに改良が進んだ最新版の「i-VTM4(インテリジェント・ビークル・トラクション・マネジメント)」システムが搭載された。現行型パスポートにもこのシステムが採用されている。後輪を駆動する機構は従来よりも40%多くのトルクを制御できるようになり、トルク配分の反応時間は30%短縮された。このシステムでは、ドライブモードを「ノーマル」「スポーツ」「エコノミー」「スノー」「サンド」「トウ(牽引)」「トレイル」の7種類に切り替えられる。7つめの「トレイル」は、未舗装路を走行する際に最適な制御を提供するモードだ。最大5000ポンド(約2268kg)の牽引能力は、先代から引き継がれている。
最近のホンダやアキュラの他の車種と同様に、このパスポートも「Android Automotive OS(AAOS)」を採用した同社最新のインフォテインメントシステムを装備。12.3インチのタッチスクリーンを操作して「Google マップ」などのGoogleサービス(GAS)が利用できる。メーターパネルには10.2インチの液晶ディスプレイが標準装備となる。GM(ゼネラルモーターズ)と違って、ホンダは「Android Auto」と「Apple Carplay 」の両方に対応しており、いずれも無線でスマートフォンと接続できる。「Qi(チー)」規格のワイヤレス充電パッドも標準装備だ。パスポートには、5Gのモバイル通信に対応した車載通信モジュールも組み込まれている。
冒険を計画している人なら装備を収納する場所が必要だ。パスポートはその点も十分に対応できそうだ。荷室容量は、後部座席を立てた状態で44立方フィート(約1246リットル)。幅も十分に広く、ゴルフバッグを2つ積むことができる。後部座席を畳めば、荷室容量はほぼ2倍の83.5立方フィート(約2364リットル)に拡大できる。
現行型パスポートは先代と同様、米国アラバマ州リンカーンにあるホンダの工場で生産される。2026年後半には米国で生産された車両が日本市場に導入される予定だ。現地でのメーカー希望小売価格(税・登録諸費用・運送費別)は、RTLの4万4950ドル(約716万円)から。日本導入予定のトレイルスポーツ エリートは、米国では5万2650ドル(約836万円)からとなっている。


