4月8日、日本科学未来館(東京・お台場)で「第6回 知財番付」の授賞式(後援:Forbes JAPANほか)が開催された。同アワードは、大学や研究機関、企業のもつ特許技術、プロダクトやサービスなど、知的財産を事業活用の視点から紹介するウェブメディア「知財図鑑」が主催。2020年から毎年開催され、過去1年間に同メディアに掲載された知財の中から「世界を進化させる可能性」が高いと評価されたものを選出・表彰している。
第6回となる今回は、応用性・専門性・創造性・将来性の4部門で計40の知財が受賞。知財図鑑編集部に加え、知財の発掘や活用の提案を行うコミュニティ「知財ハンター協会」、特別審査員、そして一般投票による多角的な審査を経て、各部門グランプリと企業特別賞、一般投票グランプリが発表された。さらに本年からは「発明文化人」の表彰が新たに行われるなど、満員となった会場は熱気に包まれた。
発明大国・日本が「稼げない」理由
授賞式に先立ち、主催する知財図鑑およびクリエイティブスタジオ・Konel代表の出村光世がオープニングスピーチに登壇した。出村は「失われた30年」という言葉に対するカウンターとして「取り戻す5年」を掲げ、2030年までに日本の競争力を取り戻すビジョンを示した。
出村が挙げた勝算は2つある。第一に、日本は米中に次ぐ世界第3位の特許出願数を誇る「発明大国」であり、国際特許数ではアメリカとほぼ拮抗していること。第二に、超高齢化やインフラの老朽化、災害に起因するエネルギー転換といった社会課題を多く抱える「課題先進国」であることは、裏を返せばヘルスケア、スマートシティ、クリーンエネルギーといった巨大市場のニーズと表裏一体であるということだ。
では、なぜこれほどの勝算がありながら停滞が続いてきたのか。出村はその原因を「発明の収益化に難あり」と端的に表現。新聞記事を引き合いに出し、大学における日米の特許収入格差が50倍にも上ると指摘した。ただし、出村はこの状況をむしろポテンシャルと捉える。「発明をゼロから生み出す必要はない。すでに蓄えられている知財をいかに収益化するか。そこに集中すれば、大きく競争力を取り戻せる」。



