経営・戦略

2026.04.10 15:00

失速し続けるナイキ、アディダスは世界中の消費者の心をつかむ

Dontree - stock.adobe.com

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競争の激しいスポーツウェア業界において、ナイキは依然として圧倒的な首位にある──しかし、その差は縮まっている。

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2番手のアディダスは、2025年の第4四半期に全セグメント・全市場で2桁成長を報告し、年間売上は248億ユーロ(約4兆1700億円)に達した。一方のナイキは、第3四半期の売上が横ばいの110億ドル(約1兆7600億円)を報告し、恒常為替ベースでは3%減。2025年に463億ドル(約7兆4000億円)を計上した後、10%減少したことを受け、通期では1桁台前半の減収になるとの見通しを示している。

ナイキは特に国外市場で苦戦している。北米では成長しており、第3四半期までで5%増。売上の約45%を北米で稼ぐ。しかし、それ以外の地域では勢いが弱まっている。2番目に大きい市場であるEMEA(欧州・中東・アフリカ)では、直近9カ月の売上高が恒常為替ベースで2%減。アジア太平洋・中南米は11%減、中国は12%減だった。かつて成長の主エンジンだった中国での落ち込みは、特に痛手となっている。同社は中国での売上が第4四半期に最大20%落ち込む可能性があると警告している。

ナイキが下落基調を反転させようともがくなか、企業評判も歩調を合わせるように低下している。RepTrakが発表した2026年版の「世界トップ100ブランド」評判ランキングによれば、ナイキは2024年に「世界で最も尊敬されるブランド」21位だったが、現在は50位へと後退している。一方、アディダスは同ランキングでレゴに次ぐ2位へと急上昇。2024年時点では、アディダスは16位で、ナイキをわずかに上回る程度だった。

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RepTrakのレポートは、年末にDynataが主要14経済圏で実施した23万人の消費者調査に基づく。回答者は企業を知っているだけでなく、十分な情報に基づく意見を持っていなければならない。評価対象となる評判の7つの要因は、製品・サービス、業績、イノベーション、リーダーシップ、行動規範、社会貢献、職場環境だ。調査対象となるには、グローバル売上が約20億ドル(約3200億円)で、測定対象14カ国における世界的な認知度が20%を上回る必要がある。

「3年前のアディダスの位置から2位へと上がったのは驚異的だ。来年は1位を本気で狙える。来年レゴと入れ替わっても不思議ではない」と語るのは、RepTrakのチーフレピュテーション&ストラテジーオフィサーであるスティーブン・ハーンだ。世界的ブランドが消費者の心をつかみ、また失い、その座を得るまでを、彼は10年以上にわたり追ってきた。

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