経営・戦略

2026.04.10 15:00

失速し続けるナイキ、アディダスは世界中の消費者の心をつかむ

Dontree - stock.adobe.com

2024年から2025年にかけては、アディダスのスニーカー、サンバとガゼルのが世界中でストリートウェアのお気に入りとして受け入れられた。RepTrakは、このトレンドはブランド主導の広告キャンペーンによって押し上げられたのではなく、ソーシャルプラットフォームで拡散したクリエイターの自発的コンテンツがバイラルに広がった結果だと指摘している。

advertisement

コミュニティとの結びつき

RepTrakの算定によれば、アディダスは独立したステークホルダーネットワーク──顧客としてだけでなく、ブランドの物語の一部として深い結びつきを感じる人々──によって機能するマルチプレイヤー戦略を通じて、グローバル評判ランキング2位へと上り詰めた。

「今、企業は物語をかたちづくることはできても、支配はできない」とハーンは説明する。「獲得メディアが機能していなければ、それは対話ではなく独り言になってしまう。企業としては入力や指針、助言を提供できるが、物語そのものを直接コントロールすることはできない」

それでもナイキは影響力を持つが、薄れつつある

ハーンは、ナイキが依然として強いグローバル評判を持っている点も指摘する。「世界で50位というのは今でも十分に良いので、壊滅的なニュースではない」と彼は言う。「しかし、アディダスが上がる一方でナイキは下がった──偶然ではない」

advertisement

彼はナイキの下落を、過去3年間に同社が踏んだ数々の一手と失策に対する「審判(referendum)」だと表現する。その多くは前CEOのジョン・ドナホー体制下で始まり、2024年10月に現CEOのエリオット・ヒルが引退から呼び戻され、軌道修正に乗り出すまで続いた。

アディダスとそのリーダー交代との類似を踏まえると、ナイキが事業と評判を回復させるまでには、さらに2〜3年を要する可能性がある。ただし、前途は険しい。卸売小売から後退し、D2C(直販)でのエンゲージメントに集中するという判断は裏目に出て、2023年の「製品・サービス」スコア低下の一因となった。

「強く共鳴するブランドであるためには、私が『参加(participation)』と呼ぶものを育てる必要がある。顧客が製品やサービスを買うだけでなく、その体験の一部になりたいと思う状態だ」とハーンは説明する。「ナイキを主にD2Cに絞ったことで、大きな機会となるチャネルの一部を逸した。成功を自ら制限し、ステークホルダーのエコシステムを狭めている」

次ページ > アディダスは「We」ブランド、ナイキは「Me」ブランド

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事