経営・戦略

2026.04.10 15:00

失速し続けるナイキ、アディダスは世界中の消費者の心をつかむ

Dontree - stock.adobe.com

コミュニティへの関わりを通じて躍進するアディダス

アディダスの企業評判の劇的な上昇は、市場に投入するプロダクトだけにとどまらない。もちろん、その分野での卓越した業績も確かに追い風になった。

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同社は、アディゼロシリーズのフットウェアが2025年のランニングカテゴリーで30%以上の成長を牽引したと説明しており、ジェフリーズは昨年末にアディダスのテレックスとウルトラランのモデルが高い需要を集めていたと指摘している。

ファレル・ウィリアムス、オアシス、バッド・バニーとの強力なコラボレーションも、2025年に12%増となったライフスタイル事業の成長を後押しした。

ハーンは、アディダスの目覚ましい評判の急伸を、彼が「マルチプレイヤーエクスペリエンス」と呼ぶものに起因している。企業が核となるブランドの物語を提示し、それが消費者、従業員、コラボレーター、その他の文化的参加者を含むステークホルダーのネットワークを通じて形づくられ、増幅され、検証されていく、という考え方だ。

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アディダスの躍進は、グローバル企業市民としての振る舞いに関連する3つの重要な要因に集中していた。すなわち、倫理的かつ公正な方法でビジネスを行うこと、公正で倫理的かつインクルーシブな形で従業員をサポートすること、責任ある市民性を示すこと。これらはRepTrakのモデルの基礎であり、ステークホルダーが企業の人格を判断するうえで中核となる。

リーダー交代

こうした評判要因を含む複数の指標でのアディダスの勢いは、リーダー交代の後に加速した。2023年、CEOのカスパー・ローステッドが契約満了前に予想外の退任を表明し、前プーマのリーダーであるビョルン・グルデンが後任となった。グルデンは1990年代に7年間在籍した同社へ復帰した形だ。

ローステッドの退任は──カニエ・ウェスト(Ye)による反ユダヤ主義スキャンダルが表面化する前に、双方合意の上で発表されたが──数年にわたる困難を経た後の戦略的な「再スタート」として説明された。

グルデンは就任後、まずスキャンダルの影響を受けた事業の財務面と評判面の両方を安定させることを最優先課題とし、その両方を達成した。

高まる文化的影響力

2023年12月に始動したRobloxとの提携は、次世代の消費者の間でアディダスの「カルチャーにおける影響力」を高めた。同プラットフォームでは、ユーザーがデジタルアバターにアディダスのスリーストライプのデザインを着せることができる。そこには、Rush Xとして知られる著名なRobloxクリエイター、ラッシュ・ボギンによる限定版UCGデザインも含まれている。

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