北米

2026.04.11 08:00

米国の金輸出額が少なくとも20年で最高に 2月約2.8兆円、不確実性の高まり映す

stock.adobe.com

これらを踏まえると、米国の主要な金品目(「HS 7108」)の2月の輸出額が過去最高を記録し、1200以上ある輸出品目のなかで首位に立ったのは驚くには当たらないのだろう。

advertisement

金が米国の品目別の月額輸出額で1位になったのは昨年10月以来3回目だ。それ以前には一度もなかった。

まさに経済や政治の不確実性を映した動きだ。

国勢調査局のデータを入手できる最新の月である2月には、金額ベースで金の85%超はニューヨークのジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港から輸出された。JFK空港は、米国が保有する金のおよそ15%が保管されているウォール街の金庫に近い場所に立地する。輸出先を見ると、スイスと英国で過半を占めている。これは従来と変わらない。スイスは国際的な金流通の中継拠点となっており、400トロイオンス(約12.4キログラム)の金の延べ棒を100トロイオンス(約3.1キログラム)やそれ未満の規格に再鋳造する加工拠点でもある。

advertisement

輸出先に関して注目に値するのは、2月には香港が英国を抜いて2位に浮上したことだ。香港向けの金輸出について確たることは言えないが、金準備のためではなく、中国本土の宝飾品や製造業の需要を満たすものだった可能性がある。金準備のためなら、現地に実際に輸送するのではなく、ニューヨークで帳簿上の記載変更で処理されることもあり得る。

金価格の顕著な上昇や米国の金輸出額の目立った増加は、実のところ昨年の冬の終わりから春先ごろに見られ始めていた。トランプが昨年4月2日、「解放の日」と称して世界に対する貿易戦争を始める直前のことだ。この貿易戦争は対イラン開戦のうわさと同様に金融市場を動揺させるものだった。

トランプ発の貿易戦争はまた、金や金投資家が1979年以来、最高の年を迎えることになった主要な要因のひとつにもなった。

現在は、金価格はそうした高騰を続けているわけではなく、1月下旬のピークから15%超下落している。にもかかわらず、米国の金輸出額は再び加速している。

次ページ > 金の輸出額だけでなく輸出量も増えている

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事