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2026.04.13 11:00

グローバル企業2000社の幹部505人を調査、AI変革の「誰も舵を取っていない」実態

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企業のAI導入はあまりに速く進んでいる。Claudeを開発するAnthropicの年換算売上高は、2025年末の90億ドル(約1.4兆円。1ドル=159円換算)から現在は300億ドル(約4.8兆円)超へと、わずか4〜5カ月で急増した。だが、HFS ResearchAltimetrikによる調査(対象は5業界グローバル企業2000社のうち上級幹部505人)によれば、大きな問題がある。実際には、誰も本当の意味で指揮を執っていないのである。あまりに多くの企業で、誰が実際の責任者なのか、そして物事が壊れたとき──あるいは壊れる場面で──誰が説明責任(アカウンタビリティ)を負うのかを、きちんと決めていない。

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「説明責任の仕組みを組み直さないままAIを拡大している組織があまりに多すぎます。その結果、誤った判断をより速く広げる危険があります」と、この調査を委託したAltimetrikのCEO、ラジ・スンダレサンは声明で述べた。「人間が舵を取るとは、AIが関わるあらゆる意思決定を、重要な業務システムと同じ水準の技術的な厳密さ、責任の所在、精査のもとで運用することです。その説明責任がなければ、拡大しているのは知性ではなくリスクです」。

報告書の示す数字は厳しい。

・明確なAI戦略を持つ企業は14%

・AIシステムの信頼を担保する仕組みとして人に頼っている企業は53%だが、その関わり方は不明確である

半数を超える企業が、AIによって人員が減ると見込んでおり、その多くは自然減で対応する計画である

・従業員の52%は、AIは自分たちを置き換えるためにあるだけだと不安を感じている

・自分が主導権を握っていると感じる従業員は7%

・説明責任の所在が不明確だとする企業は80%

・AIの実験が失敗したときに自分が責任を負わされるのではないかと恐れる従業員は72%

・AI戦略をCEO自らが担っている企業は6%

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言い換えれば、私たちは全速力で前に進んでいるが、ゴールがどこにあるのか、そのコースが明確に示されているのか、そもそも何をもって成功とするのかが分かっていない。AIは業務の深い部分に組み込まれつつあるが、仕組みとしては管理されていない。さらに、AIは業務フロー全体で判断を下し、その結果に影響を与えているが、多くの企業では、そうした判断とその結果に誰が責任を持つのかが、分散し、不明確で、後追い対応のままである。

これが、Altimetrikの言う「AI velocity gap(AIスピード格差)」である。これは「企業が知的システムを配備する速さと、それを統治するために必要な人間側の仕組みを組み直す速さとの間で広がり続ける距離」を指す。

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翻訳=酒匂寛

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