「世界中で数百人の女性がダイエットに成功した」と宣伝する減量プログラム企業、米ウェイト・ウォッチャーズ(Weight Watchers)の株価が急騰した。これは米国のメディア界の女王として知られる、オプラ・ウィンフリーが同社株の10%を取得したとの発表を受けたもの。当局への報告書によると、ウィンフリー氏は総額4300万ドル(約51億円)を出資する。また、株式5%を追加取得するオプションも受け取る。
「このプログラムの良さを心から実感し信頼しているからこそ、この会社に出資することに決めました」とウィンフリー氏は述べた。ウィンフリー氏は、同社の取締役会にも参加し、アドバイザーの役割も担う。このニュースを受け、ウェイト・ウォッチャーズの株価は92%上昇、1株につき6ドル27セント値を上げた。同社CEOのジム・チャンバース氏は次のように述べた。
「私たちは人々が単に体重を減らすだけでなく、健康的で幸せな生活を送れるよう、お手伝いをさせていただく。 そのためにオプラの力を借りたいと考えています」
今回のオプラの出資についてスタンダード・アンド・プアーズのアナリスト、Efraim Levyはこのように記した。
「今回の件は、ウェイト・ウォッチャーズの売り上げを大幅に伸ばすことになるだろう。広告塔として、あのオプラ・ウィンフリーが動いてくれるのだ。同社にとってはアクティビスト投資家(もの言う投資家)効果そのものだと言える」
しかし、その「オプラ効果」がどこまで利益をもたらすのかは不明だ。
「オプラが会社の顔になることで入社希望者は増えるでしょう。しかし、競争激化の中でウェイト・ウォッチャーズには、他社との差別化が重要であることに変わりはない」とシティバンクのアナリストは記した。
無料のフィットネスアプリやウェアラブルデバイスの登場は、ウェイト・ウォッチャーズにとって逆風だ。加入者が大幅に減少し始めたところで、ウィンフリーは出資に打って出た。フィットネストラッカーのFitbitは今夏のIPOを成功させ、同社株は公開時から84%も上昇した。
その一方、ウェイト・ウォッチャーズの株価は下落している。10月16日時点で、今年度累計で68%、ここ12カ月では71%も値を下げている。
ウィンフリー氏は、今年発表されたフォーブス「米国で最も富裕な400名」で、推定総資産30億ドルで211位にランクインした。彼女は資産運用グループのフィデリティと並ぶ、ウェイト・ウォッチャーズの大株主の1人になる。
1963年創業のウェイト・ウォッチャーズは、顧客獲得とイメージ戦略の一環として、ジェニファー・ハドソン、ジェシカ・シンプソン、ジェニー・マッカーシーといったセレブらを同社の顔に起用。世界約30カ国でダイエットプログラムを展開している。