欧州

2026.04.10 07:00

中東諸国との関係強化を図るウクライナ 欧米の支援が停滞する中

シリアの首都ダマスカスで会談した同国のアハマド・シャラア暫定大統領(右)とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領。2026年4月5日撮影(Rami Alsayed/NurPhoto via Getty Images)

ウクライナが防衛力を強化しようとしている中、中東諸国との連携はまさに時宜を得たものと言えよう。独キール世界経済研究所が2月に公表した報告書によると、米国によるウクライナへの軍事支援は2022~24年の平均との比較で99%減少した。昨年には、ウクライナに対する「人道支援や財政支援の新たな配分」は記録されていない。米紙ワシントン・ポストと英ロイター通信は先月、米国防総省が防衛支援を中東に向けることで、ウクライナへの追加支援は手薄になるとの見方を示した。イラン情勢が流動し続ける中、これが米国の中東への関与や対ウクライナ支援にどのような影響を与えるのかは不透明だ。

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欧州連合(EU)は昨年12月、ウクライナ向けの新たな900億ユーロ(約17兆円)の融資を提供することで合意した。だが、ハンガリーが先月、これを阻止した。その結果、ウクライナはロシア軍の攻撃から自国を守るために必要な支援を得られなくなった。

米国やEUの情勢の推移を受け、ウクライナは支援を求めて他国に目を向けるようになった。中東諸国がイランによる無人機攻撃に対抗するための支援を要請していることから、ウクライナはこうした新たな防衛関係を双方にとって有益なものと捉えている。ウクライナの中東諸国との防衛協力関係は、同地域での外交的影響力の拡大にもつながっている。

2022年にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降、80カ国近くがウクライナに対し、数千億ドル規模の支援を行ってきた。これには人道支援や医療支援、財政支援が含まれている。ウクライナはロシアによる侵攻を通じて、国際的な支持基盤の拡大を図ってきた。ウクライナが近隣諸国と締結した防衛協定は数年単位のものであり、こうした協力が一時的なものではないことを示している。

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政策立案者や専門家らは、イラン情勢が中東地域にどのような影響を及ぼすのかを注視している。中東情勢の展開は同地域にとどまらず、ウクライナ侵攻にも影響を与えるだろう。中東諸国がシャヘド型無人機からの防衛に当たる中、ウクライナがこれらの国々に無人機防衛システムや技術を提供することは、ロシアとの戦いを続ける上で必要な支援を確保することにつながるだろう。

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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