ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は5日、シリアの首都ダマスカスを訪れ、同国のアハマド・シャラア暫定大統領と会談した。両大統領はイランやウクライナを巡る情勢について協議し、安全保障分野での協力拡大で一致した。シリアでの会談に先立ち、ゼレンスキー大統領は、トルコ、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)を歴訪し、各国の首脳と安全保障問題について協議した。
ウクライナは、イランの攻撃を受けるサウジアラビア、カタール、UAEのほか、クウェートやヨルダンに対しても、無人機(ドローン)に関する専門知識を提供している。その見返りとして、ウクライナはロシア軍のミサイルや無人機による攻撃に対抗するため、防空ミサイルの供与を求めている。
イランは、バーレーン、ヨルダン、クウェート、サウジアラビア、カタールなど、米軍基地が置かれている近隣の中東諸国に対し、自国製無人機「シャヘド」を用いて攻撃を仕掛けた。英BBCの報道によると、中東地域では米軍兵士13人、民間人約1400人が死亡した。中東諸国はイランの攻撃から自国民を守るため、シャヘド型無人機への対処経験を持つウクライナに協力を求めている。
ロシア軍はシャヘド型無人機を用いてウクライナの民間人居住区を攻撃している。こうした攻撃に対抗するため、ウクライナは低価格の迎撃無人機を開発した。この技術により、ウクライナ軍はロシア軍のシャヘド型無人機を撃墜しつつ、自国民を守ることが可能になった。
ウクライナがシャヘド型無人機との戦闘で得た経験を踏まえ、中東諸国は同国の無人機防衛システムや技術の提供を求めている。これらの国々は、ウクライナが迎撃無人機を自国の防空能力にどのように組み込んでいるかに関心を寄せている。これに対し、ウクライナは協力する用意があると表明した。ウクライナは見返りとして、地対空ミサイルシステム「パトリオット」の供与を各国に求めている。
ウクライナの無人機技術を求めているのは中東諸国だけではない。英国、ドイツ、デンマークは防衛力の強化を視野にウクライナの無人機を入手するため、同国のメーカーに対し、製造工場の設立を要請している。こうした動向を踏まえ、ウクライナは自国の無人機技術に関する知見を中東諸国に提供できると期待している。



