毎年3月、6万人以上がアナハイムに集まる。Natural Products Expo Westは、米国の次なる食トレンドの多くが初めて公の場に姿を現す年次イベントだ。バイヤー、創業者、投資家、小売業者が会場を歩き回り、やがて全米の食料品店の棚に並ぶかもしれない商品を試食する。
今年は、見世物的な要素に事欠かなかった。プロテインはどこにでもあった。機能性グミやGLP-1サポート粉末も同様で、どんなに楽観的な買い物客でも眉をひそめるほどのウェルネス訴求があふれていた。会場を歩きながら、同じ問いが何度も頭をよぎった。私たちは本当に何かを解決しているのか。それとも、同じ食のシステムの問題を、より流行の形に詰め替えているだけなのか。
ナチュラルプロダクト業界は次の流行を見つけることには長けている。だが、より重要なのは、それがさらに大きな課題に向き合えるかどうかだ。人々と地球の双方を病ませている食のシステムに、手を入れられるのか。
本当の「食の物語」が展示会トレンドより大きい理由
世界の食料システムは、温室効果ガス排出量の約3分の1に関与している。同時に、不適切な食事は世界的に見て主要な死亡要因のひとつであり続けている。この2つの事実は、食が経済における最重要のイノベーション領域のひとつであるべきことを示している。
それでも消費者向け包装食品(CPG)で注目が集まりがちなのは、修復ではなく新奇性だ。新しい形態、新しい訴求、新しいプロテインの足し方、アダプトゲンや流行語の入れ込み方——そうしたものがあふれている一方で、食がどう育てられ、包装され、消費されているのかという根底の脆弱性にほとんど触れない製品が多い。
だからこそ、Expo Westで最も興味深かったのはトレンドの循環そのものではなかった。その下で起きている、小さいがより意味のある変化だ。食のシステム自体を再設計しようとするブランドが増えている。
それを「変革のトレンド」と呼ぼう。
食の「本当の変革」とは、実際どのようなものか
食品ブランドが次の10年で存在感を保ちたいなら、健康をマーケティングするだけでは足りない。レジリエンス(強靭性)を築く必要がある。
具体的には、土壌を改善し、廃棄物を減らし、ブランドと農家の距離を縮め、消費者にとって良いだけでなく、それを生み出す生態系やコミュニティにとってもより良い製品をつくることだ。
Expo Westでは、その変革がいくつかの明確な形で表れていた。
再生型農業がビジネス戦略になりつつある理由
最も分かりやすい兆候は、再生型農業をめぐる勢いが継続していることだった。
長年、食品ブランドはオーガニック認証、次いで非GMO表示で競ってきた。いまはさらに踏み込み、Regenerative Organic Certifiedのような基準を通じて、土壌の健全性、生物多様性、動物福祉、公正な労働慣行に焦点を当てる企業が増えている。
この変化が重要なのは、再生型農業が単なる道徳的主張ではないからだ。サプライチェーン戦略としての意味が強まっている。健全な土壌はより多くの水分を保持し、合成投入材への依存を減らし、気候ショックに直面しても農場のレジリエンスを高め得る。つまり、より良い原料を育てるだけの話ではない。より持続性の高い食のシステムを築くことなのだ。
Dr. Bronner'sやPatagonia Provisionsといった既存の有力企業から、PachaやLil Bucksのような新興企業まで、この言葉を主流へと押し広げる役割を担っている。際立っていたのは認証ロゴそのものではない。土地そのものの健康を、製品品質の一部として語るブランドが増えていた点だ。
これは意味のある転換である。何十年ものあいだ、食品業界は農業の現場条件を「見えないもの」として扱ってきた。いま消費者は、それを中核として捉えるよう促されている。
包装イノベーションはグリーンウォッシングを超えられるか
包装もまた、課題に本気で向き合っているように見えるブランドがあった領域だ。
例えばMilkadamiaのオーツミルクスライスは、製品提供に必要な水と包装の量を大幅に減らすことで、このカテゴリーを再考している。Alter Ecoは、菓子分野で堆肥化可能な包装を推進し続けている。この分野では多くのブランドがいまだに使い捨てプラスチックに依存している。
同時に、包装をめぐる議論はより正直になってきた。堆肥化可能な包装は有望に聞こえるが、受け入れ体制へのアクセスは依然として限られている。多くのブランドは、コスト、透明性、性能におけるトレードオフがあっても、使用済み製品由来の再生プラスチックへと舵を切っている。未来的な包装の訴求ほど華やかではないかもしれないが、いま実現可能なものは何か、という成熟した議論を反映している。
最も心強かったのは、包装がもはやデザイン上の選択としてだけ扱われていないことだ。Purpose PledgeやTRUEのゼロ廃棄認証といった取り組みに関わるブランドを中心に、より広い運用と価値観の議論の一部になりつつある。
消費者にとっては取っつきにくく聞こえるかもしれない。だが業界にとっては、実際の変化がしばしばここから始まる。
空虚な「ご褒美」より長寿志向の商品が広がる理由
もうひとつ注目すべき変化は文化的なものだった。
かつてExpo Westは、パーティーの多さとアルコールを介したネットワーキングで知られていた。今年は空気が違って感じられた。モクテル、ウェルネス飲料、長寿に焦点を当てた食品が至る所にあった。新たな憧れは「享楽」ではない。「最適化」だった。
このトレンドの一部は、いずれギミック化するだろう。すべての粉末、マッシュルームブレンド、アンチエイジング系グミが、その主張に値するわけではない。だが誇大宣伝の下には、確かな市場のシグナルがある。消費者は、その瞬間のご褒美ではなく、より長く調子よくいられることに資する食品やサプリメントを求める傾向を強めている。
Blue Zones Kitchenのようなブランドが際立ったのは、長寿をサプリメント的な演出ではなく、実際の食習慣と結びつけていたからだ。豆類、穀物、ホールフード由来の原料を中心に据えた製品は、ウェルネス経済の過激な一角とは対照的で、歓迎すべき存在に感じられた。
この違いは重要である。将来最も信頼される健康ブランドは、最も大きな主張をするブランドではない。長く受け継がれてきた栄養の知恵を、人々が実際に使える製品へと翻訳できるブランドだ。
ハーブ由来の原料は次の主流カテゴリーになるのか
最も興味深い成長領域のひとつは、ハーブなど文化的背景に根差した原料だった。
シーモスやシラジットは、多くの米国消費者にとって新しく聞こえるかもしれないが、どちらも新しいものではない。これらの原料は、カリブ海地域やヒマラヤ、その他の地域で長い歴史を持つ。変わっているのは、その存在ではない。商業化である。
そこには機会とリスクの両方がある。
一方では、こうした原料がウェルネスに対する米国の理解を広げ、世代を超えてそれらを扱ってきた農業コミュニティに価値を生み出す可能性がある。他方で、需要が急増しすぎると、ブランドはその原料を可能にしている人々や場所に投資することなく、価値だけを容易に吸い上げてしまいかねない。
だからこそ、最も重要な変革トレンドのひとつは、派手なブース装飾よりも目立たないところにあった。直接的なサプライヤー関係、より深い調達パートナーシップ、マーケティング上の物語ではなくサプライチェーンへの投資についての議論が増えていたのだ。
ハーブ由来の原料がナチュラルプロダクト市場の持続的な一部になるなら、サプライチェーンの健全性は消費者の熱狂と同じくらい重要になる。
ナチュラルフードは依然として富裕層向けなのか
古い固定観念では、ナチュラルフードはErewhonのような場所の裕福な買い物客のためのもので、それ以外にはないとされてきた。
しかし数字はそれと違うことを示している。
米国のナチュラルプロダクト産業は過去20年で大きく拡大し、ナチュラルプロダクトはいまや米国家庭の圧倒的多数に登場している。さらに注目すべきは、SPINSとNBJのデータによれば、いまこのカテゴリーの成長を主導しているのは低所得層の消費者だという点である。
これは、ナチュラルフードが何になりつつあるのかを捉え直させる。もはや一部のエリート消費者のためのニッチなライフスタイル・シグナルではない。主流の消費行動の一部になりつつある。
最大の問いは、この規模を生かして本当のシステム改善を推し進めるのか、それとも従来型の包装食品をより光沢のあるものにするだけで終わるのか、である。
次の勝者は「ウェルネス」を売るだけではない。レジリエンスを築く
ナチュラルフードブランドだけで世界の食料システムを修復できるわけではない。だが、それをより良い方向へ押し動かす上で、過大ともいえる役割を果たし得る。
新しい原料、新しい調達モデル、新しい包装フォーマットを最初に試すのは、多くの場合彼らだ。大手小売が何を重要視するかを形づくり、主流の消費者が食品に何を期待するかに影響を与える。そしてうまくやれば、より良いシステムがより良いビジネスにもなり得ることを証明する。
だからこそ、Expo Westで最も有望な物語は、プロテイン入りチーズケーキや最新の機能性キャンディではなかった。より野心的な問いを投げかけるブランドの存在だった。人を養いながら、私たちを養う地球を疲弊させない製品をどうつくるのか。
誇大宣伝にあふれる市場において、これは注視に値するイノベーションである。



