一括契約が問題解決の一助に
ACIBCに加盟するベンダーやサプライヤーは、複数の艦艇にまたがる装備品を複数年契約で一括発注する方式を求めており、それこそがインフレの影響を相殺しつつ、各社の事業の健全性と将来に寄与すると主張している。一括発注により、米海軍は空母を個別に発注するのではなく、単一契約の下で複数隻を調達できるようになった。
この方式ならば、生産を効率化して数十億ドルの税金を節約できるとの声もある。サプライヤーは納期の長い資材を一括調達できるようになり、年ごとの価格変動の影響を回避し、より有利な取引を確保できる可能性が高まる。
また、作業量の予測がしやすくなることで計画が改善され、より効率的な労働力の配分が可能になり、何よりも生産休止が減少するため熟練労働者の離職を防げるので、造船所の安定性確保につながる。現場を担うベテラン労働者は、新人の育成にじっくり取り組めるようになる。
さらに、軍艦を1隻建造する間に得られた教訓を次の1隻に活かすことができ、建造プロセス全体のスピードと安全性が向上する。
「一貫性があり予測可能で安定した資金調達こそ、空母産業基盤の健全性にとって最も重要な要素だ」とACIBCのパピーニ会長は述べた。「一括発注であれ、その他の長期契約メカニズムであれ、サプライヤーが最も必要としているのは、将来を見据えた計画立案と設備投資、人材育成を可能にする明確な需要シグナルなのだ」
先行調達資金
ACIBCは、2026会計年度の米国防予算に、計画中のフォード級空母5番艦「USSウィリアム・J・クリントン(CVN-82)」向けの先行調達資金が計上されている点に注目している。「2026会計年度の資金が契約に組み込まれることで生産ラインは活性化し、空母産業基盤が待望する安定性がもたらされるだろう」とパピーニは続けた。
ACIBCの活動の焦点は引き続き、2000社余の加盟企業が既存艦隊の保守から将来の空母建造に至るまで、米海軍のあらゆる要件を支援するのに必要なリソースと安定性を確保できるよう支援することにある。
「空母に対する需要は世界的に驚くほど高まっている。2025年には米艦隊の半数以上が展開され、ほぼすべての展開期間が延長されている。われわれの空母産業基盤をできるだけ強固かつ強靭なものにする必要があることは明らかだ」とパピーニは言う。「われわれは米海軍および連邦議会との緊密な連携を維持し、サプライヤーが現在の即応態勢と艦の新造の両面で国のニーズに応えられるよう準備を整えている」
米議会は一括発注契約の活用を支持しており、巨大な軍艦の建造に不可欠な専門的な造船産業基盤の維持に尽力している。「議員らは、早期調達の確約、複数隻の安定発注、労働力の保護を求めている。そして最も重要なのは、艦隊規模の明確な確約だ」とスカラブ・ライジングのツッカーマン社長は語った。


