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2026.04.09 08:00

トランプの停戦合意で米国株が急騰、アナリストは市場の楽観論に警告

Michael M. Santiago/Getty Images

Michael M. Santiago/Getty Images

ドナルド・トランプ大統領がイランとの停戦を発表したことを受け、米国時間4月8日の主要株価指数は軒並み急騰し、3月の損失を一部取り戻した。しかし、一部のアナリストは停戦合意をめぐる熱狂には根拠がない可能性があると警告している。

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ダウ平均株価は8日の取引開始とともに1356ドル高(2.9%高)と上昇したほか、S&P500種株価指数も2.5%高、ハイテク株中心のナスダック総合指数は3.3%高となった。各指数ともに、取引時間中の上昇率としてはここ数週間で最大級を記録している。

国際原油指標の北海ブレント先物は、8日朝の時点で16.6%安の約91ドルとなり、1日の下落率としては今年最大となった。米原油指標のWTI先物も同様に18%安と急落した。

ダウ平均の構成銘柄では、シャーウィン・ウィリアムズが7%高と上昇を牽引し、それにゴールドマン・サックス(5.5%高)、キャタピラー(5.4%高)、ホーム・デポ(5.2%高)が続いた。ナスダックではエヌビディア(3.4%高)が指数を押し上げ、メタ(4.9%高)、アルファベット(4.1%高)、アマゾン(3.8%高)、テスラ(2.7%高)、パランティア(2.7%高)、マイクロソフト(2.2%高)、アップル(1.7%高)なども上昇に寄与した。

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アナリスト、停戦合意は「脆弱」で「安全信号」ではないと指摘

IGのアナリストを務めるファビアン・イップは8日、市場の「リリーフ・ラリー(安心感による上昇)」は投資家にとっての「安全信号」ではないと指摘した。停戦合意は一時的なものであり、世界の石油の約20%が通過するホルムズ海峡の再開には数週間かかる可能性があると付け加えた。

また、ゴールドマン・サックスのパートナー、リッチ・プリボロツキーは同日、停戦は「定義上、脆弱なもの」であると述べ、市場は今後のホルムズ海峡をめぐる動向に左右されるだろうと指摘した。株価が「イラン問題を乗り越えよう」とする一方、潜在的なリスクに注意を促している。

エクソンモービル、シェルが失速

エクソンモービルは8日、中東の資産が被害を受けたことにより、今四半期の総原油生産量が6%減少し、利益が最大65億ドル(約1兆円)減少する可能性があると発表した。シェルも同様に、第1四半期のガス生産量が当初予想していた日量92万〜98万バレル(石油換算)から、88万〜92万バレルに減少する可能性を警告している。原油とガスの価格が落ち着けば、利益の減少は徐々に減少するとした。3月に株価収益率(PER)がエヌビディアを追い抜いていたエクソンモービルの株価は、8日の取引時間中に7.2%安と急落し、シェルの株価も4.5%下落している。

株式市場、原油・ガス価格動向の背景

米国がイランを攻撃し、その報復によってホルムズ海峡が事実上封鎖された際、株式市場全体が不安定な動きを見せていた。ドナルド・トランプ大統領は6日、イランは「一夜にして排除される可能性がある」と述べ、7日には「文明全体」を抹殺すると脅迫して事態をエスカレートさせたことで、株価の下落に拍車がかかった。

トレーダーやアナリストは、紛争が継続すれば原油とガスの価格急騰により景気後退の懸念が強まり、さらなる情勢の悪化が市場の混乱を増大させると警告していた。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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