欧州

2026.04.09 09:00

ハンガリー議会選挙を見守るEU、ウクライナ、米国 それぞれの思惑

ハンガリーの首都ブダペストで、同国のオルバン・ビクトル首相(左)への支持を表明した米国のJ・D・バンス副大統領。2026年4月7日撮影(Jonathan Ernst-Pool/Getty Images)

同首相の姿勢は、欧州諸国から非難を浴びている。フィンランドのペッテリ・オルポ首相は、「(オルバン首相は)選挙戦でウクライナを武器として利用している」と批判。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、オルバン首相の言動はEUとウクライナに対する「重大な背信行為」に当たると指摘したほか、EUのアントニオ・コスタ欧州理事会常任議長(EU大統領)は同首相が欧州を「脅迫」していると非難した。EUの執行機関である欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長とフランスのエマニュエル・マクロン大統領はハンガリーに対し、ウクライナに対するEUの支援を直ちに承認するよう求めた。

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領もオルバン首相を非難している。同大統領は、ロシアの侵攻に対するウクライナの防衛にとって、EUの支援が不可欠だと強調した。だが、ハンガリーとウクライナの緊張は続いている。

オルバン首相を支援する米国

EUとウクライナの当局者は、野党のティサが選挙で勝利すれば、ハンガリーがEUとウクライナに友好的な姿勢を打ち出し、外交に変化をもたらすと期待している。ところが、欧州諸国やウクライナがハンガリーの政権交代を期待する中、米国のドナルド・トランプ大統領と政権幹部らはオルバン首相を支持している。トランプ大統領は先月、自ら創設したSNSのトゥルースソーシャルに、オルバン首相の再選を「誇りを持って支持する」と投稿した。マルコ・ルビオ米国務長官は2月にハンガリーを訪問した際、オルバン首相への支持を表明した。J・D・バンス米副大統領も今月7日、議会選挙を目前に控えた同国を訪れ、オルバン首相を全面的に支持すると表明した。

オルバン首相は第1次トランプ政権時代から同大統領と良好な関係を築いてきた。両首脳は保守的かつキリスト教的な価値観を重視しており、国連などの国際機関に対して批判的な姿勢を示していることでも一致している。さらに、米国とハンガリーはウクライナへの防衛支援に疑問を呈し、ロシアとウクライナに戦争の終結を迫っている。ハンガリーは、トランプ大統領が主導するパレスチナ自治区ガザの暫定統治などを担う国際機関「平和評議会」への招待を受け入れた最初の国の1つにもなった。トランプ大統領はハンガリーの盟友であるオルバン首相が再選を果たせるかどうかを気にかけていることだろう。

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ハンガリーの議会選挙の結果は、欧州にも米国にも重大な影響を及ぼす。与党フィデスが勝利した場合、ハンガリー政府は引き続きEUやウクライナに反対する姿勢を貫くものとみられる。一方、野党のティサが勝利すれば、同国はEUやウクライナと新たな関係を築くことになるかもしれない。それは経済的な機会を促進し、欧州全体の安全保障を強化するものとなるだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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