2026.04.09 14:00

市場規模270兆円、2026年出張と休暇を組み合わせる「ブレジャー」旅行がトレンドに

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出張と休暇を組み合わせる「ブレジャー」の市場は、全世界で2024年に6850億ドル(約108兆円)だった。この数字は2032年までに1兆7000億ドル(約269兆円)に達すると予測されており、年平均成長率は約12%だ。この成長は、旅行を計画する段階で滞在の延長を組み込むプロフェッショナルたちが牽引している。

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最近のトレンドでは、観光客の旅行先に変化が見られる。New Advantage(ニュー・アドバンテージ)のデータによると、通常混み具合が落ち着く9月と10月の予約は前年比20%増で、従来の夏のピークシーズンを上回っている。さらに、外国に旅行する人の4分の3近くが、混雑や高価格を回避しようとピークシーズンを積極的に避けるようになっている。

その結果、生まれているのがある種のブレジャー旅行だ。正当な出張とオフシーズンの時期を組み合わせたもので、7月や8月よりも旅行しやすく、もっとプライベート感があり、往々にしてより魅力的になる旅行だ。

柔軟性に応える都市

アイスランドの首都レイキャビクは、過去10年間で会議とリモートワークのインフラを大きく拡充させ、テクノロジーやサステナビリティ、再生可能エネルギーといった分野のプロフェッショナルにとって有力な出張先となっている。だが、10月から3月にかけてのオフシーズンには訪問者が減る。

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レイキャビクから東に約1時間離れたところに位置するフルーナロイグ・バレーにあるTorfhús Retreat(トルヴフース・リトリート)は、よく考えられたブレジャーの拠点が実際にどのようなものなのかを体現している。地熱の温泉が湧き出る地域に草屋根のコテージが点在し、氷河の散策や乗馬などを体験できる。企業のトップらは合宿形式の会議を行うために利用し、リモートワーカーはレイキャビクで仕事を終えた後に滞在する。トルヴフース・リトリートのロベルト・エランスによると、ゲストは「自然と再びつながり、アイスランドの伝統や壮大な風景に浸る」ために訪れるという。都市のような接続性はないが、多くのゲストにとってそれこそが魅力だ。

大々的に観光客を誘致しなかった諸島

ノルウェーとアイスランドの中間に浮かぶフェロー諸島は、2024年に約10万人の訪問者を受け入れた。アイスランドを訪れた人は230万人だった。この差は、部分的にはアクセスの問題に起因している。フェロー諸島へ行くにはレイキャビクやデンマークの首都コペンハーゲンを経由する必要があるため、時間とコストがかかる。また、フェロー諸島が多くの観光客を引きつけるためのマーケティングをしていないことも影響している。クリエイティブ産業、デザイン、食、サステナビリティなどの分野のブレジャー志向のプロフェッショナルは以前から同諸島を訪れているが、訪問するには出張に慣れている人ですら入念な計画が必要だ。

フェロー諸島を訪れる人は食やデザイン、持続可能なビジネス慣行において、島々の規模からは想像できないほど大きな影響力を持つ地域文化に触れる。フェロー諸島の首都トースハウンを見下ろす丘の上にあるHotel Foroyar(ホテル・フォーオーヤー)は、出張に休暇をくっつけて滞在を延ばす人にとって理想的な拠点だ。草屋根の建築、フェロー諸島産の羊肉や発酵させた魚を中心とした料理、港を見渡す景観が特徴だ。同諸島で開催されるサステナビリティやデザイン関連のイベントに参加するプロフェッショナルにとって、諸島は仕事の拠点であると同時に滞在を延ばす理由にもなる。

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翻訳=溝口慈子

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