ホテル・フォーオーヤーのアン・クリスタは、「滞在を少し延ばすことを選んだ人は、フェロー諸島が単なる目的地ではなく1つのリズムであることに気づく。時間と好奇心、そしてゆっくり過ごそうとする人に報いるリズムであり、自然と地元の人々とのより深い結びつきが得られる」と説明する。オフシーズンである春と秋は短い夏より混雑せず、体験する価値のあるリズムはそのままだ。
出張がレジャーへと変わる都市
オランダの首都アムステルダムは歴史が豊かで、よく知られているオーバーツーリズムの問題を抱えている。一方で、同国第二の都市、ロッテルダムは第二次世界大戦後に再建され、欧州でも有数の建築的に野心的な都市へと変貌を遂げた。デザインやイノベーション、港湾を基盤とした商業に力を入れることで、物流、建築、クリエイティブ産業のプロフェッショナルにとって自然な目的地となり、列車で40分ほど北に行ったところに位置するアムステルダムよりも実用的なブレジャー拠点となっている。
モットー・バイ・ヒルトン・ロッテルダムは市中心部に位置し、まさにその特性に合致している。欧州主要都市の仕事環境のインフラを必要としつつ、仕事を終えた後に時間を過ごしたくなる地域環境を求める旅行者向けに設計された、デザイン志向の宿泊施設だ。市場調査会社Precedence Research(プレセデンス・リサーチ)によると、ブレジャー旅行者の最大45%をミレニアル世代が占めており、ロッテルダムのオフシーズンは滞在の延長に見合う安定した体験ができる。
ブレジャーの組み立て方
会議や研修旅行を計画するプロフェッショナルにとって、オフシーズンのブレジャーは早い段階で候補地選定の議論に組み込む価値があるものだ。ピーク時期を外せば部屋を確保しやすく、料金を交渉する余地もあり、滞在を延長する参加者にとっても魅力的な目的地となる。会議の開催地が参加者に早い到着を促したり、滞在を延ばそうと思わせたりする場合、イベント自体へのエンゲージメントも高まる傾向がある。
ブレジャー旅行をする方法は単純だ。水曜または木曜に目的地に到着する次の出張を探し、その時期が目的地のオフシーズンにあたるかどうかを確認する。帰りのフライトの前の金曜と土曜を予約する。Skyscanner(スカイスキャナー)のデータによると、米国人の42%がすでに出張に2日以上の休暇をくっつけてブレジャー旅行を実践している。
同じ原則は、組織レベルでも当てはまる。企業が出張にレジャー時間を組み込む場合、たとえば滞在延長の旅程を提案したり、オフシーズン休暇のスケジュールを調整したり、あるいは従業員に滞在延長を奨励する方針を導入すると、単なる経費報告書以上の利益を得ることが多い。チームの結束力の向上やより明晰な思考、従業員の定着率の向上などだ。
ブレジャー旅行に関するデータでは、出張者の55%がブレジャーがより良いワークライフバランスの維持に役立つと考え、73%が従業員としての自分の価値向上につながると感じていることが示されている。出張時の休暇をいまだに後回しにしている企業にとって、こうした統計は意味があり、検討に値する。


