イランのアミール・サイード・イラバニ国連大使は米国時間4月7日、ドナルド・トランプ大統領が8日に「文明全体」を抹殺すると予告したことを受け、それが実行されればイランは「即時、かつ相応の報復措置を講じる」と警告した。トランプが設定したホルムズ海峡再開の期限まで、残りわずか数時間となっている。
イランが安保理で「即時報復」を宣言
イラバニは、7日に開催された国連安全保障理事会の会合において、トランプが発した「今夜、文明全体が死に絶える」という警告は「戦争犯罪、もしくはジェノサイド(集団殺害)を引き起こす」ものだと述べた。
また、イランは「躊躇することなく固有の自衛権を行使し、即時かつ相応の報復措置をとるだろう」と付け加えた。
トランプ、「今夜、文明全体が死に絶え、2度と元に戻ることはない」
これはトランプがトゥルース・ソーシャルに投稿した脅迫に対する回答だ。トランプは「今夜、文明全体が死に絶え、2度と元に戻ることはないだろう。私はそうなってほしくないが、おそらくそうなる」と投稿した。「世界の長く複雑な歴史において、最も重要な瞬間の1つが、今夜明らかになる」。
トランプはまた、イランで政権交代が起きたという自身の主張を繰り返し、「より賢明で、過激化していない層」が政権を握っているとし、「もしかすると、革命的に素晴らしいことが起きるかもしれない。どうなるかな?」と述べた。
トランプの投稿直後、イラン外務省のエスマエル・バカエイ報道官はXに謎めいたメッセージを投稿した。「『文明化された』国家が持つ文化、論理、そして自らの正義への信仰の力は、暴力の論理に間違いなく勝利するだろう。自らの道の正しさを確信している国家は、その権利と正当な利益を守るために、あらゆる能力と資質を駆使するはずだ」。
イラン、国民に「人間の鎖」となるよう促す
一方、複数の報道機関がイラン国営・地元メディアの写真を引用して伝えたところによると、イラン国内では市民が橋や発電所の周囲に「人間の鎖(編集注:デモ活動の参加者が鎖のように手をつなぐこと)」を作っているという。これは、トランプが攻撃対象に指名した施設を保護するようイラン政権が国民に促したことを受けた動きだ。
米国とイランの交渉状況は不透明だ。ニューヨーク・タイムズは、トランプの最新の脅しを受けてイラン側が交渉を打ち切ったという匿名筋の話を伝えた一方、テヘラン・タイムズは交渉は依然として継続中であると報じている。
ヴァンス副大統領「結末はイラン次第」
ハンガリーで記者会見を行ったJ・D・バンス米副大統領は6日、「(トランプが設定した)期限までの間に多くの交渉が行われるだろう。良い解決に至ることを期待している」と述べた。バンスは戦争が「極めて短期間」で終結すると語ったが、「どのような形で終わるかは、最終的にはイラン国民次第だ」と付け加えた。
複数のメディアは7日、匿名の米政府当局者の話として、米軍がペルシャ湾のカーグ島にある軍事施設を攻撃したと報じた。同島はイランの石油輸出の90%を担う重要拠点だ。
専門家は、民間インフラ攻撃は戦争犯罪に当たる可能性を警告
専門家は、トランプが予告したような民間インフラへの攻撃は戦争犯罪に該当する可能性があると警告している。トランプは戦争犯罪で訴追される可能性を否定しており、6日に記者団から懸念の有無を問われると「まったくない」と一蹴した。
開戦の経緯と交渉の現状
トランプの最初の脅しは5日、罵倒語を交えたトゥルース・ソーシャルへの投稿から始まった。彼は「海峡を開けろ、狂った野郎ども。さもなければ地獄を見ることになる。見ていろ!」と書き込み、その後の投稿で「火曜日は発電所の日、そして橋の日だ」と述べ、民間インフラへの攻撃を予告した。これらの脅迫は、イラン上空で撃墜されたF-15E戦闘機の米空軍パイロットが救出された直後に行われた。
米国は6日、イランが提示した10項目の新たな和平案を拒否した。トランプは記者団に対し、この提案は正しい方向への1歩ではあるが、「石油タンカーの自由な航行、そしてその他すべて」を含む必要があると語った。イランによる提案の詳細は不明だが、同国は以前から、戦争終結の合意には海峡における同国の主権を認めることが不可欠であると主張している。



